野村総合研究所(NRI)の調査によると、「ミッドライフクライシス」(中年の危機)に現在直面していると40-50歳代の就労者2,060人の53.0%が自覚していることが分かった。
就労者の年代別にみると、「ミッドライフクライシス」の自覚があると回答した人の割合は、30歳代で29.7%、40歳代では52.1%、50歳代は53.9%。NRIは、「ミッドライフクライシス」の自覚がある人の割合は40歳代以降で大幅に増加する傾向が見られたとしている。
調査では、中年期に差しかかると家庭や職場での役割の変化や加齢による身体的変化が生じ、中年期特有の悩みや葛藤、不安などを抱くことを「ミッドライフクライシス」と定義。正社員として就労する40-50歳代の男女2,060人を対象に2025年1月17-18日に調査を実施した。
「ミッドライフクライシス」の自覚があると回答した1,092人に、「ミッドライフクライシス」に直面していることが原因で仕事の成果や効率が以前よりも低下していると感じることがあるか聞いたところ、74.5%が「よくある」「たまにある」と回答。これらの結果を踏まえると、40-50歳代の就労者の約4割が「ミッドライフクライシス」の自覚があり、それによる仕事のパフォーマンスの低下が生じているとされる。
「ミッドライフクライシス」が原因で仕事のパフォーマンスが低下していると感じることがあると回答した人に、その低下の割合がどの程度かも聞いたところ、「3割程度」が28.9%と最多で、次いで「2割程度」が26.2%だった。
NRIは、人口や労働力が減少する社会では現役世代の中核である40-50歳代の労働生産性の低下の回避は急務であり、周囲からその発生状況が見えづらいという点でも就労者の「ミッドライフクライシス」対策の検討が必要だと指摘。具体的には、本人の健康問題・健康不安への対応に加えて、介護を必要とする手前の親世代の健康維持や生活を支援する環境整備が有効だとしている。
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