「週間プレイバック」では、12月4日-11日にCBnewsマネジメントで配信した特集や連載を振り返ります。
【中医協】看護必要度に「M項目」新設-厚労省が提案、基準引き上げの試算も
【12月4日(金)】
【中医協】かかりつけ薬剤師の包括評価新設-厚労省が提案、基準調剤加算は厳格化
厚生労働省は4日、中医協の総会で、「かかりつけ薬剤師」の診療報酬上の要件を明確にし、それを満たす薬剤師の業務を新たに評価する案を示しました。この評価では、調剤料などを包括評価する報酬体系も設けるとしました。また、かかりつけ薬局の評価である「基準調剤加算」の要件厳格化も提案しました。委員からは、この2つの評価を将来的に統合すべきといった指摘がありました。
次期診療報酬改定の基本方針案、大筋で了承-今後の部会に注文も、社保審・医療部会
社会保障審議会(社保審)の医療部会は4日、2016年度に実施する診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承しました。「地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点」を重点課題として掲げ、かかりつけ医機能の評価や病院と診療所の機能分化の検討、多職種連携の強化などをその具体的方向性の例として示しました。今後、これまでの社保審・医療保険部会での意見も踏まえ、厚労省が両部会の部会長と調整の上、来週にも正式な基本方針として取りまとめる見通しです。
【中医協】調剤基本料の減算、対象拡大へ-委員から財政審案へのけん制も
厚労省は4日、中医協の総会で、調剤基本料の減算ルールの対象を16年度診療報酬改定で拡大させ、店舗数が多い場合や特定の医療機関との関係が深い場合などにも適用させる案を示しました。同ルールが適用になった場合の点数については具体案を示しませんでした。総会では、財政制度等審議会(財政審)が減算後の点数を18点まで引き下げるといった具体案を示していることについて、委員が「極めて非現実的で乱暴」と断じ、大幅な減額や対象拡大をけん制する場面もありました。
【中医協】調剤報酬見直しで「私案」を披露-日医・中川氏
「薬局の体制を評価する今の調剤報酬を抜本的に見直し、かかりつけ薬剤師を評価する調剤報酬に改めるべきだ」―。4日の中医協の総会で、日本医師会副会長の中川俊男委員はこう強く主張し、日本薬剤師会常務理事の安部好弘委員と応酬を繰り広げました。“かかりつけ薬剤師元年”となる来年春の診療報酬改定が、医薬分業の新たな時代の幕開けとなることを強く印象付けました。
【12月7日(月)】
回リハ病院を相次ぎ新設、都内で1千床超え-カマチグループ・巨樹の会
カマチグループの一般社団法人巨樹の会が、今年に入ってから東京都内に回復期リハビリテーション病院を相次いで開院し、病院関係者の注目を集めています。17年春には、江東区の北砂に回リハ病院を新設する予定で、同法人の回リハ病床の数は東京だけで1000床を超える見通しです。桑木晋副理事長は、「日本の急性期病院の在院日数は長い。それを1ケタ台に持っていくのが、私たちの使命の一つだ」と力を込めます。
「かかりつけ薬局」へのツールに-わかる!検体測定室(4)
14年度から厚労省が進めている「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業」では、糖尿病の罹患リスク者のスクリーニングや定期健康診断の受診啓発を目的として、多くの都道府県で検体測定室を活用した取り組みが展開されました。この秋に開催された関連学会などでも、その取り組みの結果が多数報告されたところです。それらの報告では、地域の「かかりつけ薬局」「健康サポート薬局」という、これからの薬局に期待されている役割を確立するため、検体測定室が1つのツールになることが示されています。
今回は、各地での取り組み事例を具体的に見ていきたいと思います。
【中医協】一包化加算、日数での評価見直し-厚労省、対人業務の評価充実策も提案
厚労省は4日、中医協の総会で、調剤料の一包化加算の報酬額が投与日数の長さに応じて高くなる現行のルールを16年度診療報酬改定で見直す案を示しました。調剤報酬の構造を見直し、対物業務の評価を適正化させる同省の方針に合わせたもので、委員から強い反対はありませんでした。また同省は、対人業務に対する評価を充実させるとして、薬剤服用歴管理指導料の重複投薬・相互作用防止加算の評価対象の拡大や、いわゆるブラウンバッグを活用した残薬削減を評価することなども提案しました。
【中医協】未妥結減算、薬局の範囲見直しへ-20店舗以上が対象か
14年度の診療報酬改定で導入された未妥結減算制度について、厚労省は対象となる薬局の範囲を来年春の改定で見直す方針です。中医協では、小規模な薬局への配慮を求める声が上がっており、20店舗以上を持つ「チェーン薬局」が対象として浮上しています。
ドクターズアシスタントと看護師の役割分担-看護師は患者・家族マネジメントに集中
佐久医療センターでは、ドクターズアシスタント(以下、DA)を07年から導入しています。医師の事務作業を標準化・ルーチン化して、電子カルテなどの代行入力を行うことにより、医師の事務作業の負担が軽減したほか、効率性が高まり、その結果「医療の質の向上と経営改善」へとつながりました。DAが事務作業を担うことで医師は診療に集中できるようになり、看護師にとっても、今まで看護師が医師の代わりに行っていた事務業務をDAが担当することで、看護師は、本来業務である継続看護、外来指導業務、入退院に向けた支援に専念できるようになりました。
【12月8日(火)】
続く病院淘汰、転換点は…-加速する病院M&A(上)
「16年度も、その先の18年度も、これからの改定で診療報酬が上がることはまずない。病院の経営環境は厳しくなる一方でしょう」-。16年度診療報酬改定を約半年後に控えたこの秋、首都圏で開かれた医療経営セミナー会場で、こう強調した講師の一人は続けました。
M&Aはその成立が公表されないケースも多く、正確な数字は把握しにくいものの、仲介を手掛ける事業者の間では、「今後も医療機関のM&Aは増加が続く」という見方が大勢です。
介護実調の見直し案を了承-給付費分科会の経営調査委
厚労省は8日、社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会に、報酬改定の重要な資料となる介護事業経営実態調査(介護実調)や介護事業経営概況調査(概況調査)の改善案を提示しました。介護実調の期間を1年間に延長することや、建物の建築や改築に一定程度の投資が見込まれるサービスについては長期借入金返済支出を調査項目に加えるなど、これまでの同委員会や介護給付費分科会での議論を取りまとめた内容となっており、委員会では案を了承しました。今後は、14日の介護給付費分科会で最終的な議論が行われます。
小規模デイが減少、「チャンスは今」-C-MAS最高顧問の小濱氏
経営コンサルタントで、介護事業経営研究会(C-MAS)最高顧問の小濱道博氏は7日、同研究会のセミナーで講演しました。小濱氏は、4月の介護報酬改定以降、通所介護や訪問介護などの新規開設が伸び悩んでいると分析しています。近年、急速に増えた小規模の通所介護事業所も今年8月には、増加数より廃止数が上回ったと指摘しました。また小濱氏は、新規参入にブレーキがかかった一方、介護を必要とする高齢者は、今後も確実な増加が見込まれることから、「既存の事業所にはチャンスといえる状況」と述べました。
【12月9日(水)】
【中医協】7対1の移行、病棟群単位で促進-厚労省の時限措置案受け診療側「恒久的に」
厚労省は9日、16年度診療報酬改定に向けて議論している中医協の総会で、一般病棟7対1入院基本料などを届け出ている病院が10対1などに移行する場合に限り、7対1や10対1などの区分を病棟群単位で届け出るのを認める案を示しました。これを一時的な措置とする厚労省の提案に、支払側の委員はおおむね賛同しました。一方で診療側の委員は、7対1からの移行などを条件とせず、病棟群単位の届け出を広く認めるべきだと主張しました。
【中医協】在宅復帰率の見直しで意見対立-厚労省の提案受け議論
厚労省は9日、中医協の総会で、16年度の診療報酬改定に向けて、一般病棟7対1入院基本料(7対1)や地域包括ケア病棟入院料1などの要件になっている在宅復帰率の計算方法や基準を見直す提案をしました。支払側の委員はこの提案を支持しましたが、診療側の委員からは導入したばかりのタイミングでの変更は避けるべきとするなどの反対意見が相次ぎました。
DPC効率性係数をメジャー5疾患で深掘り-2025年に向けた病院経営のツボ(69)
DPC病院における機能評価係数Ⅱの中で在院日数短縮の努力を評価した「効率性係数」は高度急性期、急性期病床として存続するためには、最も重要な係数と言えます。
今回は11月16日の診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」で公開された14年度のDPC公開データを用いて、全国で症例数の多いメジャー5疾患(肺炎、誤嚥性肺炎、狭心症心カテ検査、狭心症PCI、心不全)の在院日数の平均値と効率性係数の関係を見て、効率性係数改善のポイントを検討してみました。
医療機関のM&Aは多様化の時代へ-加速する病院M&A(下)
今後も加速するとみられる医療機関のM&Aですが、近年のM&Aの動向を見てみました。
データ加算の審査に68病院が合格
【12月10日(木)】
医療従事者の偏在や確保、どう対応する?-厚労省検討会、職種別で分科会設置
医療従事者の需給に関する検討会の初会合が10日、厚労省で開かれました。暫定的な医学部定員増の措置終了や地域医療構想の策定を踏まえ、医療従事者の需給を見通し、地域偏在や確保対策などを検討することが目的です。医療従事者の職種ごとに需給状況や確保対策が異なることから、医師、看護職員、理学療法士・作業療法士の3つの分科会を設置することなどを了承しました。
「アセッサーを必須の職種に」-介護プロの在り方検討会
介護人材の能力を段位で評価する「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の今後の在り方を議論するための厚労省の検討会が10日、3回目の会合を開きました。この日は、これまでの議論を踏まえ、自由討論が行われました。委員からは、認定を目指す人の日々の実践的スキルを評価するアセッサーについて、訪問介護事業所におけるサービス提供責任者のように、介護事業所での必須の職種と位置付けるべきという意見が相次ぎました。また、新たな仕組みを検討する上で、介護報酬も関連させた議論が必要との声も上がりました。
介護人材の確保にあの手この手-家賃補助に車の提供、正職員としての採用も
介護人材の不足が深刻さを増す中、手厚い支援で都市部からの移住者を募る自治体の取り組みが注目を集めています。島根県浜田市では、市外から移住を希望する一人親家庭を対象に、市内の介護事業所で働くことなどを条件に、家賃の補助や車の提供などをする事業を開始し、今年11月までに4家族の移住を実現させました。和歌山県田辺市では、資格取得に掛かる費用の負担や資格取得後の正職員としての採用などを打ち出し、市外からの移住者を募集しています。まだ採用には至っていないものの、PRを強化し、その実現を急いでいます。
よい医療と収入確保のアイデアを各部門から-病院事務に欠かせない16年度改定の準備②
筆者は今月下旬に、16年度診療報酬改定の方向性について、院内説明会を開催する予定です。今回は、その時のテーマとして考えている「地域包括ケア病棟と在宅との連携」「後発医薬品への転換」「リハビリテーション」「HCUの集約化と拡充」について、私見も交えながら紹介しました。
DPC制度は「抜け駆けしたい人には複雑」-小山分科会長
中医協の診療報酬基本問題小委員会は9日の会合で、DPC評価分科会の小山信彌分科会長から、16年度診療報酬改定でDPC制度を見直す方向性を検討した結果の報告を受けました。小山会長は、DPC制度が複雑だと考えるのは「抜け駆け」をしようとするDPC対象病院だけで、制度に参加する通常の病院関係者には分かりすいものだと強調し、検討結果への理解を求めました。
【12月11日(金)】
入院前から認知症の人が望む治療を把握する-認知症高齢者の医療選択を支援する②
前回は医療同意能力の評価をテーマにしました。今回は、認知症の人に対して治療を行う際に必要な医療従事者のスキルや地域との連携について考えましょう。
介護施設での虐待の防止「家族がポイント」-福祉リスクマネジメント研究所の烏野所長
今年、介護業界では施設での虐待が大きな問題としてクローズアップされました。びわこ学院大学教授で、福祉リスクマネジメント研究所の烏野猛所長は、「どの施設にとっても虐待問題は『対岸の火事』ではありません」と指摘します。施設での虐待を防ぐためには、入居者家族との良好な関係構築や役割分担こそがポイントいいます。
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