読み込み中.....

生き残る医療・介護経営のためのウェブマガジン

ようこそ、ゲスト様

RPA活用し人手不足や請求漏れなどを解決のサムネイル画像

RPA活用し人手不足や請求漏れなどを解決
オープン株式会社「BizRobo!」

2025年01月31日 12:00

スクラップブック 印刷用

 ■人間からロボットへのタスクシフト

 オープン(東京都港区)が提供する「BizRobo!(ビズロボ)」は、多くの病院やクリニックで導入が増えつつあるRPA(Robotic Process Automation)ソリューションだ。恒常的な人手不足が課題となっている医療業界におけるRPA活用によって、定型業務の自動化で多くの課題を解決へ導く。

 RPAとは人間がPC上で行っている一連のルーチンワークを、ソフトウエアのロボットが自動で実行する技術。電子カルテや各部門システム、Excelなどをロボットが操作し人間の作業を代替する。ロボットへ定型業務をタスクシフトすることで労働力不足を補い、また医療スタッフはより医療の質の確保に向けて多くの時間を割くことが可能になるなど本来業務の充実につながっていく。

 さらに業務改善効果だけでなく、収益向上にもロボットは貢献する。病院やクリニックでは本来、カルテに正確な記載があれば請求できる指導料や管理料、あるいは時間外等加算が、カルテの不記載やオーダリング漏れにより算定できていない事案もある。このようなケースを防止するためRPAがシステムを自動でチェックし、担当者へアラートを提示する。

 具体的には次のような事案でロボットが稼働し、収益の向上につながっている。▽悪性腫瘍特異物質治療管理料オーダー漏れチェック▽肺血栓塞栓症予防管理料オーダー漏れチェック▽せん妄ハイリスク患者ケア加算オーダー漏れチェック▽特定薬剤治療管理料オーダー漏れチェック▽救急医療管理加算算定漏れチェック▽副傷病の有無チェック▽共同指導&査定実績のある案件へのアラート▽人工腎臓の時間外・休日加算-など。

 ある大学病院では、肺血栓塞栓症予防管理料オーダー漏れチェック、せん妄ハイリスク患者ケア加算オーダー漏れチェック、共同指導結果反映ロボの3つで、1,000万円以上の収益向上につなげているという。

 社会医療法人敬和会(大分県大分市)では、高度な急性期医療から回復期、生活期、在宅、精神医療、さらには国際医療を含めた切れ目のないさまざまな医療介護サービスを地域に提供している。敬和会では人手不足や高齢化、複雑化する患者ニーズといった山積する問題、特に間接業務の効率化を目的に2023年1月に「BizRobo!」を本格導入。24年末時点、法人全体で36体のRPAが稼働し、年間約8,800時間の業務削減を実現している。

 対象業務は主に医療現場における日次・月次データ集計、日報作成、記録業務のチェック、FAX送付の自動化など多岐にわたる。これにより業務時間の削減だけでなく、医療の質向上にもつながっている。


 例えば「感染兆候確認ロボット」は、患者の体温や細菌検査結果、カルテ記載内容を基に感染兆候のある患者リストを作成し、毎朝看護師に通知する。この自動化によって、看護師の業務時間や精神的負担が軽減されただけでなく、感染兆候への早期対応が可能となり、患者への医療サービスの質を向上させたという。

 このようにRPAを通じて現場スタッフが業務改善効果を実感することで、DXに対して肯定的な意識を持つようになり、新たな業務改善提案も進んだ。さらに同法人では、スタッフ一人一人がデジタル技術を理解し活用できる、「デジタルインクルージョン」の実現のため、RPAやPCスキルに関する研修を各施設・部署の状況に合わせて実施し、現場で活用できるデジタルスキル基盤の構築を進めている。

 オープンによる「BizRobo!」開発の背景には労働力不足がある。22年版厚生労働白書によると、40年度には1,070万人の医療従事者が必要であるが、974万人しか人員を供給できないと想定される。また人員不足とも関連するが、ここ数年は全国の病院においてCTやMRIの検査結果の見落としなどの医療の質の確保や、厳しい病院経営といった問題もある。

■医療機関におけるRPAの有効性

 オープンでは業務改善に向けた業務削減KPIも設定。コメディカルスタッフ(事務・看護部を除く)ならば「病床数×10時間/年」、看護部だと「病棟数×1,500時間」としている。 

 200床・10病棟の病院を例にすると、看護部は「10病棟×1,500時間」で計算し、全体で1万5,000時間の業務が年間で削減できる。コメディカル部門の「200床×10時間」と合わせ、1万7,000時間の業務削減の計算となる。

 同製品の導入で業務を削減することで、スタッフはより質の確保に向けて動けるという。ある大学病院において、CTやMRIおよび病理検査について、検査結果の見落としをチェックするRPAを導入。1カ月以上未読の割合は30%以上減少した。

 「BizRobo!」は生成AIやセキュリティーソフトウエアなど、ほかのDX製品との連携も行える。最近では3省2ガイドラインに基づきセキュリティーを確保した上での遠隔操作により、生成AIとRPAを連携させた事例もある。

 導入後のサポート体制としては、医療従事者のPC操作を一緒に確認しながら、現場で対応することも可能。また、全国に導入支援からロボット開発、研修までを支援するパートナー企業がある。それぞれの病院に合ったパートナー企業による協力を受けることもできる。

 さらに医療従事者だけで「BizRobo!」への理解を深めることができるコンテンツも用意。一例として動画コンテンツで学ぶ「eラーニング」のほかに、製品の仕様・機能に関する基礎知識、開発・運用時の注意点や、不具合発生時の対処法が掲載されている情報検索サイト「ナレッジベース」などをそろえる。サポートチームが業務のロボット化から開発に関する問い合わせまで幅広く対応する、チャットサポートによる対応も行っている。

 また、RPAには関心はあるが、自院のどの業務で運用すればいいのかイメージを持てない病院には、オープン営業担当と一緒に見つける「業務洗い出しサポート」も用意する。

 オープンではRPAなど自動化技術を用いた業務効率化支援により、単純作業における人的ミスや慢性的な人手不足、業務の属人化などの課題を解決に導く。

▽オープン株式会社「BizRobo!」
https://rpa-technologies.com/solutions/healthcare/

【関連記事】

他のエントリーを見る