■医療の質と病院経営を、同時に支えるデータ活用基盤
医療現場では、少子高齢化による医療需要の変化と人材不足を背景に、業務の効率化や意思決定の高度化がこれまで以上に求められている。一方で、電子カルテをはじめデータは蓄積されているものの、「どのデータを、どのように活用すれば現場の改善につながるのか分からない」「分析しても業務が変わらない」といった課題を抱える医療機関は少なくない。都築電気(東京都港区)が提供するDX導入支援サービス「D-VUE® Service」は、こうした現場の悩みを出発点に、データとAIを活用して業務改善と意思決定の高度化を支援する。
D-VUEでは、残業が減らない、業務が属人化しているといった日々の現場課題を丁寧に洗い出し、現場と合意形成を行いながら改善テーマを設定する。データの整理や業務プロセスの可視化、AI・データ分析手法の選定、システム設計・運用までを一体的に進めることで、現場と経営の分断を防ぎ、「理解でき、使えるデータ活用」を実現している。

改善テーマは病院によってさまざまなため、予測、分類、数理最適化、テキストマイニング、生成AIなど課題に応じて最適な手法を柔軟に組み合わせることができる。特に、分析結果や示唆を現場・経営の双方が理解できる形で提示することを重視し、数値やロジックを分かりやすく可視化している点は、施策の合意形成や意思決定を支える重要な要素だ。なぜその判断に至ったのかを説明できることで、現場の納得感を高め、AIへの不安や抵抗感を軽減している。
また、導入後の定着を重視した伴走型サポート体制もD-VUEの価値を支えている。医療分野特有の制約や責任の重さを前提に、現場の業務や判断を置き換えるのではなく、日常業務の延長線上で活用できるDXを重視している。小規模な取り組みからスピーディに着手し、成功体験を積み重ねながら改善範囲を広げることで、現場の納得感を醸成。業務フローへの定着や適用範囲の拡大までを支援する。
現場と経営の双方が納得できる実行可能性と継続性を備え、PoC(概念実証)に終わらないデータ活用を実現。医療の質向上と病院経営の両立を支える、実践的なデータ活用基盤として機能している。
■現場の納得感が、病院収益改善と持続可能な運営につながる
飯塚病院(福岡県飯塚市)は、D-VUEを活用し、病院経営と現場業務の双方に効果をもたらす取り組みを進めている。病院収益改善を目的とした施策では、約5年分の入院患者データを学習し、退院日を予測するモデルを構築。従来は担当者の経験に依存していた退院予定日の見込みを、AIによる予測結果として現場に提示し、日常業務に組み込んだ。

その結果、退院予定日の入力率が40%から90%へと大きく向上した病棟も。退院時期の見通しが早期に共有されることで、看護師や医師、医療ソーシャルワーカーなど多職種間の連携がスムーズになり、退院準備の前倒しが可能となった。これにより、業務効率の向上に加え、書類作成や加算算定といった収益面での機会拡大にもつながっている。
また、看護師配置の最適化では、数理最適化を用いて公平性と業務効率を両立した配置案を提示する仕組みを構築した。これまで師長やリーダーの経験と調整力に依存していた配置業務は、1病棟あたり年間240時間削減され 、属人化の解消と業務負担の軽減を実現している。
データに基づく判断は現場の納得感を高め、持続可能な病院運営を支えるDXの実践例となっている。
▽都築電気株式会社「都築電気株式会社「D-VUE® Service」」
https://tsuzuki.jp/jigyo/ai/d-vue/
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