■厳格化する温度管理と、現場の手作業負担という二重の課題
TOPPANエッジ株式会社(東京都港区)の温度管理ソリューション「オントレイシス」は、医療現場の実務を起点に設計された医薬品や治験薬の温度管理DXだ。近年は管理基準や監査要件が一層厳格化し、温度逸脱の有無を正確に把握し、記録・報告することが医療機関に強く求められている。一方で、その運用の多くはいまだ目視確認と手書き記録に依存しているのが実情だ。温度を自動計測し、データをクラウド上で一元管理することで、現場の業務負担を大きく軽減させる。
設定した温度範囲を逸脱した場合には、メール通知やパトランプによるアラートを即時に発報。異常時のみ対応すればよい運用とすることで、担当者が常に数値を気に掛ける必要がなくなり、心理的な負担も軽減される。温度履歴は自動で記録・保存され、監査対応や治験依頼者への報告資料としても活用可能だ。

また、担当者の経験や注意力に依存しない運用が可能となることで、業務品質のばらつきを抑制できる点も重要である。人の入れ替わりがあっても管理水準を維持でき、属人化しやすい温度管理業務の標準化に寄与している。確認・記録・報告という一連の業務を仕組みで支えることで、ヒューマンエラーの防止と管理精度の向上を同時に実現している。
オントレイシスは、医療機関ごとの運用実態を踏まえた導入支援を重視している点も特徴だ。導入前の要件整理やデモンストレーション、機器の校正対応などを通じて、現場に無理なく定着する形での運用を支援。単なるシステム導入にとどまらず、日常業務の中で自然に使われ続けることを前提とした設計思想が貫かれている。
さらに経営視点では、温度逸脱による医薬品廃棄や監査指摘といったリスクを低減できる点も重要な価値となる。業務効率化に加え、医薬品管理の信頼性向上は病院全体の評価や治験継続性にも影響する。オントレイシスは、現場の省力化と管理レベルの向上を通じて、医療安全と持続可能な病院経営を支える基盤として機能している。
■温度管理業務の省力化と医薬品廃棄リスクの低減
兵庫医科大学病院 臨床研究支援センター(兵庫県西宮市)では、治験薬の温度管理における業務負担とリスクの低減を目的に、2024年にオントレイシスを導入した。導入前は、温度管理担当者4人が1日2回、保管庫の温度を目視で確認し、手書きで記録。同時に、毎月20数台分のデータを抽出する必要があり、確認・記録・報告に多くの時間と神経を要していた。
導入後は、保管庫ごとの温度が5分間隔で自動計測され、そのデータがクラウド上で一元管理される仕組みへと切り替わった。これにより、現場では必要なタイミングで温度状況を即座に確認・活用できるようになり、日常的な目視確認や記録作業が不要となった。また、温度逸脱が発生した場合のみアラートで通知されるため、異常の見逃しを防ぎつつ、担当者が常に数値を気に掛ける必要もなくなっている。その結果、温度管理業務の省力化が進むと同時に、温度逸脱による医薬品廃棄リスクの低減にもつながった。

さらに、蓄積された温度データを治験依頼者に対してもタイムリーに共有できる体制が整い、きめ細かな情報提供が可能となった点も重要な利点である。これにより、管理状況に関する説明負担が軽減されただけでなく、治験薬管理の透明性と信頼性の向上にも寄与している。
オントレイシスは、業務効率化と管理精度の向上を両立しながら、医療機関と依頼者双方にとって価値のある温度管理基盤を担っている。
▽TOPPANエッジ株式会社「TOPPANエッジ株式会社「オントレイシス®」」
https://www.edge.toppan.com/ontrasys/
▽「TOPPANエッジ株式会社「オントレイシス®」」説明動画
https://youtu.be/7vt2GSt2asE
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