国立成育医療研究センターの研究グループは、妊娠前に低体重だった母親から低出生体重児が生まれる可能性が標準体重の母親と比べ約1.6倍に増加するという研究結果を明らかにした。妊娠37週未満の早産の可能性は約1.2倍だった。母子の健康にとって、妊娠前からの適正体重の維持が重要だとしている。
研究では、同センター社会医学研究部の森崎菜穂部長らの研究グループが2000年1月から24年2月までに公開された日本人女性の単胎妊娠を対象としている研究論文を検索。5,003件の論文の中から研究で設定した評価項目が報告されているものを選別し、最終的に34件の論文、計約76万人分の妊娠データを対象とした。
その結果、妊娠前にBMIが18.5未満の低体重だった母親からは、低出生体重児が生まれる可能性が標準体重(BMIが18.5以上25.0未満)の母親よりも1.61倍、在胎不当過小児が生まれる可能性は1.59倍に増加したことが分かった。早産の可能性は1.23倍だった。また、出生体重は標準体重の母親と比べて平均で115.02グラム低下していた。
欧米では肥満への関心が高い一方で、日本では若い女性の「痩せ」が深刻な公衆衛生上の問題となっている。国民健康・栄養調査によると日本の20-30歳代女性の約2割が低体重で、欧米諸国と比べ突出して高い割合となっている。この特異な状況が周産期の健康状態にどのような影響を与えるかは、これまで系統的に評価されていなかった。
今回の研究は、日本人女性に特化した初めての包括的なメタ解析で、妊娠前の女性の低体重が母子の健康に与える影響を定量的に評価した。
研究グループは「集団内で低体重が一般的であっても母子の健康に関わるリスクは減少しないことが明らかになった」と指摘している。研究結果は、疫学分野の学術誌「Journal of Epidemiology」に論文として掲載された。
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