弁天島で釣り糸を垂れながら
あの時、私はこう考えた(2)

初めて白衣を着て東大赤門前で撮影
今から40年以上も前の話になる。浜松市にある弁天島の浜辺で、釣り糸を垂れながら、寺野彰・獨協学園理事長(73)は医師としての働き方に迷っていた。寺野は弁護士の資格も持つダブルライセンスのはしりだ。
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東大医学部卒業後に同附属病院で勤務した後、聖隷浜松病院(浜松市)で働き始めていた。そこで、同僚の内科医だった妻と出会い、結婚した。寺野の一大転機は、すぐに訪れた。
浜名湖に浮かぶ弁天島で診療所を開業していた妻の父が倒れたため、急きょ病院勤務の傍ら、診療所を手伝うことになった。浜松に来た当初は、ある程度の臨床医の経験を積んだ後、大学に戻り、研究の道を目指したいと思っていたが、決断を迫られた。
病院勤務と診療所の手伝いの合間に、息抜きで釣りをしていた。弁天島の前には、黒鯛も釣れる太平洋が広がっていた。そこで、思い付いた。「大学進学時に興味を持った法律の世界はどうだろうか。そうだ。医学で研究をする代わりに、法律を極めてみよう」。
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