自院の急性期病棟からの転棟と他院からの転院の評価を分けるべきか―。来年春の診療報酬改定に向け、評価の見直しをめぐる議論が本格化する地域包括ケア病棟(病室、以下同)に、新たな論点が浮上してきた。次期改定では、在宅患者の急性増悪などに対応する「サブアキュート」への評価がこれまで最大の焦点だったが、院内からの転棟よりも、ほかの急性期病院からの転院患者の受け入れを重点的に評価すべきだとの意見が出始めた。今後、急性期の治療が一段落した患者の受け入れ機能「ポストアキュート」の評価の在り方も俎上に載りそうだ。【敦賀陽平】
地域包括ケア病棟の創設時、厚生労働省は同病棟が担う役割として、▽急性期からの受け入れ(ポストアキュート)▽在宅・生活復帰支援▽在宅療養患者の緊急時の受け入れ(サブアキュート)―の3つの機能を示し、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)や在宅復帰率などの要件が設けられた。
だが、同省が昨年秋に行った調査によると、自院の他病棟から地域包括ケア病棟に転棟した患者の割合が9割を超える病院が、全体の半数近くに上る実態が明らかになっている。
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