【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
介護職員の離職率が低下している。介護労働安定センターが7月28日に公表した最新の「介護労働実態調査」の結果によると、2024年度の離職率は12.4%で、過去最低だった前年度からさらに0.7ポイント低下した。現在の調査方法となった05年度以降で最も低くなっている。
介護職員の離職率のピークは16年度の16.7%であり、それ以降は22年度を除いて年々下がり続けている。毎月勤労統計調査の25年1月時点での全産業平均離職率は13.9%であるから、介護職員の離職率は全産業平均より低いことも明らかだ。
介護人材不足対策として、働きやすい職場環境の整備、業務負担の軽減などで人材の定着を図る取り組みを多くの介護事業者が進めていることが最大の理由だと思う。例えば事業所内に従業員の専用ラウンジを設け、ドリンクサーバーを置いてフリードリンクを提供する介護事業者なども増えている。職員が食事を取る場所もないという介護施設などが多かったかつてと比べると、職場環境の大きな改善であると言える。それはとても重要な事なので、今後もさらに取り組みを進めなければならない。
だが離職率が低下しても、介護職員の総数は減っているという事実も把握しておく必要がある。介護事業者に所属する介護職員数が23年10月10日現在で約212.6万人となり、
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