自民党と日本維新の会の連立政権樹立が確実視される状況で、社会保障費、とりわけ医療費の扱いはどうなるのか。関係者の声を拾うと、「骨太方針」で示された病床削減や2026年度診療報酬改定プラス改定の路線は踏襲するが、病院経営救済の緊急措置については不透明という見方が目立つ。【編集部取材班】
日本維新の会の吉村洋文代表は15日、自民党の高市早苗総裁と会談し、連立への参加を視野に政策協議を始めることで合意した。会談後の記者会見で吉村氏は「副首都構想と社会保障改革が2本の柱だと申し上げた。それについてはサインを示していただいたと思っている」と述べた。
維新は、現役世代の社会保険料の負担を軽減するための社会保障改革として、▽一般病床・療養病床・精神病床の余剰な約11万床の削減▽OTC類似薬への保険給付の見直し▽地域フォーミュラリの全国展開-などの政策を掲げ、自民・公明両党と合意している。
6月13日にまとまった骨太方針2025の策定に当たり、衆目を集めたのが、同月6日の自民・公明・維新による「三党合意」だ。医療界で話題になったのが、「約11万床削減」によって2年で約1兆円の医療費削減効果を見込むという内容だった。
維新の広告塔的役割を果たす猪瀬直樹・参院議員はスイッチOTC医薬品の推進を強調していたが、医療費全般で見れば“本丸”は病床数削減といえる。約11万床の削減を声高にうたった点は注目されるが、これ自体は地域医療構想に象徴される医療政策の既定路線と合致するとの見方がある。
ある医療法人理事長はこう指摘する。「1985年度の第一次医療計画前夜の駆け込み増床で、
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