【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■医師の働き方改革と医師事務作業補助者の重要性
医師の長時間労働の常態化、そして医療の質と安全に影響を及ぼすことへの懸念に対し、医療機関は近年、医師の働き方改革を推進してきた。具体的な取り組みとして、事務業務の負担軽減目的で、医師事務作業補助者を配置することは多くの医療機関において当たり前になりつつある。直近8年間の医師事務作業補助体制加算の届け出状況の推移では、中小病院こそ届け出割合がまだ増えているが、病床規模の大きい病院ではほぼ横ばいになっている=グラフ1=。

医師事務作業補助者は、診療録の代行入力や文書作成、診療情報の整理など、医師が本来業務に専念するための重要な役割を担い、また配置体制は診療報酬において評価されてきた。
しかし近年、生成AIをはじめとした医療DXの急速な進展により、これまで医師事務作業補助者が担ってきた定型業務の一部が大幅に効率化されつつある。これにより、医師事務作業補助者の役割そのものが変化し始めており、診療報酬体系の再設計が求められる局面を迎えている。
■生成AIによって効率化される業務
生成AIの実装が国内の医療機関で本格化し、医師事務作業補助者が支援してきた文書作成業務の負荷は減少するところが出始めている。退院時サマリーや診療情報提供書、各種診断書など、従来は10数分を要していた文書作成が数クリックで完了する事例も現れ、業務の効率化は
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次回配信は12月3日を予定しています
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