HPVワクチン定期接種 対象の全年代で経験率上昇
日本対がん協会調べ
日本対がん協会は、HPVワクチンの定期接種の対象(12-16歳)となる全ての年代で接種の経験率が上昇したとする調査結果を公表した。同ワクチンの定期接種の状況は改善しているとみられる。
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調査は、定期接種世代の小学6年生から高校1年生(2009年4月2日-14年4月1日生まれ)の女性を対象に、25年10月17-21日にウェブで実施した。
対象者の母親5,788人に代理回答をしてもらったところ、前回の24年度調査と比べて、全年代で接種経験率が12-22ポイント程度上昇した。定期接種対象では、子宮頸がんやHPVワクチンの認知率も上昇していた。
同協会は、「定期接種対象に向けて現状で進められているHPVワクチンに関する認知拡大施策や情報提供、公費助成施策などが接種行動に結びついている可能性を示した」と指摘。ただ、12年度生まれから下の年代では相対的に上の年代よりも接種率が低いため、この年代へのアプローチが課題として浮かび上がったとしている。
HPVワクチンの接種のきっかけを複数回答で聞くと、「国や自治体からHPVワクチンに関する情報を提供されたから」(38.8%)が最多。ほかにも、「情報提供」「周囲の影響」がきっかけとして多く挙がった。
一方、HPVワクチンの接種経験がない804人の理由(上位5項目)では、「ワクチンの副反応が不安」が最も高く、52.6%だった。前回の調査よりも低下傾向にあるが、副反応への不安が依然として接種の妨げになっている実態が明らかとなった。また、「ワクチンの成分が不安」(19.8%)や「周囲に接種している人がいない」(11.8%)、「効果がよく分からない」(11.7%)といった理由もあった。
HPVワクチンのイメージは、「予防効果がある/ありそう」が21.1%と、最も高かった。前回ではネガティブ意見の「副反応が多い/多そう」が最も高かったが、今回はポジティブな意見がトップになった。
HPVワクチンに詳しい和歌山県立医科大の上田豊教授は、「定期接種対象では接種率は増加傾向あるが、7割程度だった定期接種前の公費助成の時期の水準には達していない」と指摘。小中学校や教育委員会などとの連携強化の必要性を強調している。
日本国内では、10年11月から子宮頸がん等ワクチン接種緊急事業が開始された。13年にはHPVワクチンの定期接種が始まったが、厚生労働省の審議会でワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛の頻度がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるようになるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされた。
これを受けて、13年6月14日に積極的勧奨の差し控えが厚労省健康局長名で通知された。それ以降も審議会などで議論が進み、22年4月に積極的勧奨が再開された。
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