大原綜合病院などを運営する大原記念財団は25日、アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン合同会社(AWSジャパン)とスマートホスピタルの実現に向けた包括連携協定を締結したと発表した。生成AIおよびクラウド技術を活用した医療DXを推進し、医療の質向上、業務効率化、患者利便性の向上と持続可能な医療提供体制の強化を目指す。
大原記念財団は2024年度に医療DX企画室を新設し、AWSジャパンの技術支援の下で生成AIを用いた退院サマリー自動作成の実証に着手。従来比50%以上の業務効率化が確認されており、今回の協定締結でその取り組みを本格化させる考えだ。
両者は26年度から28年度を「第1期3カ年」と位置付け、医療DX基盤の整備と生成AI活用の拡大に取り組む。連携の柱は3つ。
第1が生成AIによる医療業務の効率化。RPAと生成AIを組み合わせた退院サマリーの自動作成を26年4月から本番稼働させるほか、看護サマリーの自動作成、病床管理の最適化、DPCに応じた入院期間の自動表記、KPI日次集計の自動化を推進する。
現場の切実さは数字に表れている。同院によると「これまで退院サマリーの作成には1件当たり30-60分を要しており、深夜まで対応することも珍しくなかった」という。生成AIの導入によって患者との対話や診断・治療に集中できる環境が整うといった期待を示している。
第2は診療情報のクラウド基盤整備とサイバーセキュリティー対策の強化、第3として院内でAWSに精通したAIクラウド人材の育成と医療DX推進人材の継続的スキルアップを挙げている。
AWSジャパンのパブリックセクター統括本部ヘルスケア&アカデミア事業本部長の大場弘之氏は「本取り組みが全国の地域医療機関における医療DX推進のモデルケースとなることを期待している」と述べている。
大原記念財団は1892年に開院。2018年の新病院棟開院による急性期・回復期の機能分化に続き、25年には清水病院と大原医療センターを統合(199床)して「心の医療」を兼ね備えた総合回復期病院を整備している。
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