大阪市立総合医療センターが27年からDXを本格始動
京セラスマートフォン1,550台で院内情報を隅々に PR
国内有数の許可病床数を誇る大阪市立総合医療センター(1,063床)は、2027年からデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みを本格化する。病院DXの“心臓部”に当たる電子カルテの更新時期に合わせ、まずはDX推進に不可欠な“血液”と“毛細血管”を整備する。血液を担うのはクラウドサービス「Microsoft 365」。さまざまなシステムとの連携やセキュリティー対策の基盤を確保することで、院内に多くの情報を循環させる。そして、その情報を現場の隅々まで送り届ける毛細血管としての役割を期待されているのが、自営通信方式の「sXGP」に対応した京セラスマートフォンだ。現在使用するPHSからスマートフォンへの切り替えは27年4月以降とまだ先だが、「翻訳アプリを入れたい」など現場からは早くも期待の声が上がる。医事・医療情報部医事課担当課長の佐々木麻紀氏と同部TQMセンター副主幹の齋藤由美氏、同部医事課(システム)係長の田中誉人氏にDXへの取り組みなどを聞いた。
(京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社 制作CBnews編集部)
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――大阪市立総合医療センターの特徴を教えてください
佐々木 許可病床数が1,063床と非常に大きな病院です。がん治療や先進医療をはじめ、感染症、災害医療、小児・周産期や児童・思春期の精神医療まで幅広い領域に対応するとともに、高度で専門性の高い医療を提供しています。特に小児医療では西日本各地から紹介患者が集まるなど、大阪の中核・拠点病院として地域医療を牽引し、患者さんや医療関係者から揺るぎない信頼をいただいています。また、臨床だけでなく、教育や研究にも力を入れています。自治体病院では珍しい動物実験室やシミュレーションセンターなども備え、次世代の医療人材の育成にも取り組んでいます。
■7年に一度の電子カルテ更新 クラウドとスマートフォンの三位一体でDX推進
――大規模な病院でDXを推進するのは大変ではないでしょうか
佐々木 現在、約2200台の電子カルテ端末が稼働しており、100を超えるさまざまな部門システムがつながっています。このようにシステム同士をつなぐと、後からやめることが非常に難しくなります。また、仕組みが複雑になるほどコストも運用リスクも膨らみます。だからこそ新しいシステムの追加要望は、本当に必要かどうか慎重に見極めるようにしています。当センターでは7年ごとに電子カルテを更新しており、現在2027年1月の更新に向けて準備を進めています。また事務系のクラウドも更新を控えています。これらのタイミングを好機と捉え、本格的にDX推進に取り組んでいます。
――まず取り組むことは
田中 一部の人の恩恵にとどまるのではなく、職員すべてに使ってもらうようにしなければなりませんので、デジタル基盤を見直します。大きく2つありまして、1つがクラウドサービス「Microsoft 365」の導入です。さまざまなシステムとの連携やセキュリティー対策の基盤を確保します。もう1つがスマートフォンの導入です。
佐々木 昨今はサイバー攻撃が増えており、病院にとってセキュリティーの強化は急務です。一方で職員が安全かつ円滑に情報を共有できる環境も必要です。USBメモリーによるデータの受け渡しやメールでのPPAPの運用など従来の方法では、情報を安全に流通させることに限界が来ています。そこで、先進的な取り組みをされているいくつかの病院にもお話を伺って、セキュリティーを確保しつつ、院内の情報共有を支える基盤としてMicrosoft 365を導入することにしました。
■大規模な通信障害で自営通信網を構築
――PHSからスマートフォンへの切り替えも、当初から電子カルテの更新時期に合わせて行う計画だったのですか?
佐々木 当初は2026年に切り替えを計画していました。ちょうど切り替えを検討している最中に、ある携帯キャリアで大規模な通信障害が発生し、大きなニュースになりました。医療現場において、5分でも10分でも通話が不通になることは許されません。そこで、PHSと同じ周波数帯(1.9GHz)を利用し、免許不要で
自営ネットワークを構築できる「sXGP」という通信規格に着目しました。自営のアンテナ設置には費用がかかりますが、災害拠点病院である当センターとしては、費用面だけでなく、通信の安定性を重視し、sXGPを選択しました。また、スマートフォンでもMicrosoft365を活用することを想定し、電子カルテの更新に合わせて切り替え時期を2027年4月以降に見直しました。
田中 Wi-Fiでの利用も検討したのですが、いざ電子カルテシステムがサイバー攻撃を受けた時にスマートフォンも一緒にダウンすることは避けたいというのもsXGP を選んだ理由の1つでした。また、音声の品質も優れている点もメリットが高いと考えています。
■利用現場でのスマートフォンの困りごと 京セラスマートフォンが解決
――sXGPに対応するスマートフォンは複数社から出ているが、京セラを選んだ理由は
佐々木 当初は別メーカーを採用する方向で検討しておりましたが、見学に伺った病院から、京セラスマートフォンは故障が少なく、バッテリーの耐久性も優れているというお話を聞きました。当センターでは、2020年から京セラさんとお付き合いがあり、電子カルテにつながる約600台のプリンターや複合機でお世話になっています。以前のプリンターは故障が多く対応に頭を悩ませることもありましたが、京セラさんに替えてからは、その安定性を実感しています。そこでスマートフォンについてもご相談しました。今回PHSからの切り替えに伴い、1,550台のスマートフォンを院内に配備する予定です。医療現場で日常的に使用する端末だからこそ、故障の少なさや耐久性、安定して使い続けられることは、端末を選ぶ上で大きなポイントになりました。
齋藤 以前、他の病院に見学に伺ったときに看護師から聞いた話ですが、バッテリーの膨張による耐久性の問題があったり、アルコールや次亜塩素酸など消毒液がスマートフォンにかかり故障したり、というのがスマートフォンあるあるだそうです。また、カートの上から落下したり、看護師がかがんだ際に胸ポケットから落ちたりし、画面が破損することも現場ではよくあると聞きます。京セラスマートフォンは、こうした「医療現場あるある」に幅広く対応している点をとても評価しています。
――スマートフォンへ期待感を教えてください
田中 sXGP回線を使用するため、優先度を考えながらスマホアプリを活用しなければなりませんが、情報の共有やコミュニケーションの拡充につなげていきたいですね。
齋藤 翻訳や音声入力など、導入する前から現場でいろいろな要望が挙がっています。胸ポケットから出すスマートフォンで電子カルテが見られたら嬉しいと話すドクターもいます。多職種によるチーム医療を積極的に行っていますが、職種によって使用する端末が異なり、電子カルテとの行き来が必要な場面もありました。今後は、このような煩雑さが解消されることを期待しています。
佐々木 いろいろ検討した結果、まずはスマートフォンでの内線通話の体制整備を最優先し、電子カルテとスマートフォンの連携は今回見送りました。当センターでは、災害拠点病院として、毎年災害訓練を行っています。これまでも被害状況を報告するツールを作るなど、災害時の情報を集め、共有する方法を工夫してきました。一方で、個人のスマートフォンからの報告では、患者情報を含めることができないことや、各部門から寄せられる多くの被害情報を整理・集約することが難しいという課題がありました。今後は、新たに導入するスマートフォンとMicrosoft 365を活用し、災害時の状況をチャットで速やかに報告・共有できるようにするとともに、生成AIを使って、時間の経過に沿った災害対応の記録を自動的に整理できる仕組みを目指しています。災害拠点病院として、災害時にも安全かつ安定して情報を共有できる環境を整え、より迅速な災害対応につなげていきたいと考えています。
清水貞利病院長のコメント
「確実につながる通信」を最優先に
大阪市立総合医療センターは、災害拠点病院として「確実につながる通信」を最優先に、院内の情報基盤整備を進めてきました。今回のsXGP導入と京セラスマートフォンの採用は、災害時の通信確保だけでなく、平時の医療の質向上に大きく寄与するものと期待しています。今後も、患者さんにより良い医療を提供するため、現場の声を大切にしながらこれからの働き方を支え、安全で強靭な医療情報基盤の構築に取り組んでいきます。
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▼京セラスマートフォンが実現するスマートホスピタルのご提案資料
https://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/solution/contents_dl/dl/medicalcatalog.html
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