強い地域薬局を、まちの灯りになるために
M&Aのかたち・ケース2
日本にはまだ病院や診療所がたくさんあるので、薬剤師がこのような医療行為を行うことに反発する声もありますが、米国のこの過疎地のような状況になった時にどうするかを考える必要があります。私たちには、「地域薬局として最後まで逃げられない。地域の人々を守るのはわれわれだ」という覚悟が求められていると思います。そのためにも、当社は規模を大きくし、基盤を強固にしてきました。
■大きくなるだけではない、M&Aは「いいとこ取り」
当社のM&Aのモットーは「いいとこ取り」です。新しく仲間になった薬局や昔から一緒にやっている薬局など、それぞれのいいところを持ち寄って、自分たちを高めるのがM&Aという手段です。2000年の会社設立から十数年でここまで大きくなれたのは、他社の店舗を譲り受ける際に、「買った」とか「支配した」とかではなく、「一緒にやっていく仲間が増えた」という感覚でいるからだと考えています。
また、新しく仲間になる社員にとって、会社が大きくなるメリットは、学ぶ場所が多くなることです。薬剤師として地域の人々の役に立つには長年の経験と勉強が必要ですが、その力を引き出す近道は、すでに能力を持った薬剤師が社内に増えることです。また、これまでは結婚などで引っ越しをすると転職せざるを得なかった女性薬剤師なども、全国の当社の店舗で働けるようになりました。
さらにM&Aは、薬局経営者の自己実現を応援することにつながっています。数店舗を展開する経営者の多くは、地域の人々に望まれる薬局の機能を発揮するのが難しいという「規模の壁」に直面していると訴えています。また、人材確保にも困っています。一方で、私たちはある程度大きな規模になり、資金的にも人材的にも少し余裕があるため、理想を追求したい経営者が仲間になることで、お互いに輝き合うことができるのです。
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