任期満了に伴う日本医師会の会長選挙が23日行われ、現職の横倉義武氏が、対立候補の塩見俊次氏(奈良県医師会前会長)を破り、4選を決めた。任期は2年。副会長は、今村聡氏と中川俊男氏、松原謙二氏の3人が続投する。中央社会保険医療協議会の委員で、副会長候補だった松本純一氏は敗れ、常任理事を退任した。【松村秀士】
会長選は、横倉氏と塩見氏の一騎打ちとなった。同日正午前に投票が始まり、投票総数367票のうち、横倉氏が328票、塩見氏が19票を獲得。無効票は1票、白票は19票だった。
副会長選(定数3)では、投票総数1095票のうち、今村氏が270票、中川氏が261票、松原氏が214票、松本氏が174票を獲得した。白票は176票。候補者だった今村定臣氏は22日に辞退を表明。常任理事を退任した。
常任理事(定数10)には、平川俊夫氏、松本吉郎氏、道永麻里氏、釜萢敏氏、羽鳥裕氏、長島公之氏、石川広己氏、小玉弘之氏、江澤和彦氏、城守国斗氏が選定された。一方、前職の温泉川梅代氏は落選した。
■横倉会長「3つの基本姿勢で医療再興へ一歩踏み出す」
選挙後の記者会見で横倉会長は、今回の会長選に立候補するに当たり、医師の働き方改革や控除対象外消費税の問題、高齢社会への対応などの課題に対応するため、「かかりつけ医を中心とした街づくり、医療政策をリードし続ける組織づくり、人材育成の視点に立った人づくりを基本方針に掲げた」と説明した。
その上で、「基本方針を実現するため、積極的な行動(アクション)と、すべての取り組みに偏りのない政策(バランス)、新しい取り組み(チャレンジ)という3つの基本姿勢で臨むことにより、医療再興に向けた新たな一歩を踏み出したい」と抱負を述べた。
同席した今村副会長は、「執行部の一員として会長の方針に従って、今の医療の課題に対応していきたい。特に医師の働き方改革の問題(への対応)や医療機関の経営が守られるような取り組みに努めたい」と述べた。
また、中川副会長は、「これまで以上に横倉会長を支えて、真に強い執行部を盛り立てていきたい。個人的には仕事の幅を広げていきたい」と強調。松原副会長も「会内で一致団結して会長を支えていく」と語った。
■松本純一氏、中医協委員も退任へ
横倉会長への主な質疑と応答は、以下の通り。
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