全日本病院協会はこのほど、病院給食をテーマにした経営セミナーを開催した。中村康彦副会長は、セミナー開催の背景について、どの病院でも良い給食を提供したいが、費用の面でなかなか難しかったり、委託先の給食業者が確保できなかったりすることもあり、病院給食は経営を圧迫する要因になっていると述べた。【大戸豊】
2017年の給食部門の収支を見ると、全面委託、一部委託、完全直営ですべて赤字となっている=表=。
外部委託の場合も、委託していた給食事業者から「継続したいが、この金額ではできない」と断られたり、委託先をコンペで決めようとしても、不調に終わったりすることも珍しくない。
中村副会長は、給食事業者も人手不足で、毎回数百食作る病院給食への対応が難しくなっていると話す。また、赤字になっても、給食は必ず提供しなければならず、さらに業務委託には消費税がかかるため、19年10月に消費税がアップすれば、委託費の負担増も懸念されるという。
表 給食部門の支出・収支(一般病院(慢性期病院を含む))
入院時の食事療養に係る給付に関する調査結果(速報)概要(2017年10月18日)より
■「地産地消」「働き方改革」、病院の事情はそれぞれ
セミナーでは、星総合病院(福島県郡山市)と、なぎ辻病院(京都市)の病院給食の取り組み事例が紹介された。
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