病院内の最大勢力と言われる看護部門。最も濃密に患者と接し、病院の屋台骨を支える看護師たちは普段、何を感じながら過酷な業務をこなしているのだろうか。こんな病院では働きたくない! 看護師たちが本音を語る。【聞き手・構成/齋藤栄子、兼松昭夫】
【プロフィール】
Aさん 会社員を経て、現在は急性期病院に勤務。
Bさん 大規模病院で勤務。
Cさん 急性期病院での勤務を経て、現在は自営業。
初めて会った看護部長から「病院辞めて」―【看護師覆面座談会】こんな病院では働きたくない(後編)もご覧ください。
■怒られるのは教える側
―本日は、よろしくお願いします。早速ですが、病院で働いていると、どんなときにモチベーションが下がりますか。
A 仕事ぶりを病院に認められるタイプと、現場で本当にできると受け止められている人が別物だとすごく感じて、「世知辛いなあ」って思います。やる気がないとまでは言わないけど、輝いていない人が出世して、「出世すればいいなあ」って私たちが感じる人がなかなかしない。
―輝いていないって、どんな方ですか。
A 例えば、仕事をしていても時間になると帰っちゃう人。ある上司は、私たちの病棟に配属された途端、妊娠が分かって、「赤ちゃんが生まれたら産休に入りますから」って。異動してくる前に妊娠には気付いているだろうに、異動してから言うってどういうことだろう。すぐいなくなるんなら何を言ってもしようがないし、おまけに時間になるとすぐ帰っちゃう。
―その方はいつも何時くらいにお帰りですか。
A 午後5時45分。46分に行くともう部屋が暗くて、いなくなっている(笑)。
―Bさんはいかがですか。
B 私たち中堅が新人を育てなくちゃいけないのは分かりますけど、そのしわ寄せが全部、こっちに来る。それがすごく嫌というか負担に感じて、仕事したくないなあって、少しだけ思います。
中堅が新人をフォローするのは当たり前で、その子たちができないと中堅が怒られる。「フォローしていないあなたたちが悪い」って。それが中堅の仕事の一つでもあるんですけど。
全員 分かるー。
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