2019年度政府予算のうち社会保障関係費は、自然増6000億円に対し1000億円を上回る削減が求められる方向となってきた。消費税率引き上げに伴う薬価改定が決定されており、薬価制度への費用対効果評価の本格導入もあって、今回も薬価中心の対策となる。ほかには、高齢者対策の一環として70歳以上高齢者の自己負担に関する「現役並み所得者」の判断基準見直しが加わることになりそうだ。【ライター 設楽幸雄】
19年度の社会保障関係費の自然増6000億円に対しては、9日の経済財政諮問会議で民間議員が「5000億円を下回るべき」と提言した。これにより、1000億円を上回る削減が求められていく方向がほぼ固まった。
削減額を生み出す具体策として決定されているのは、現段階では消費税引き上げに伴う薬価改定について、市場実勢価に合わせた算定(引き下げ)を行った上で消費税2%引き上げ分を算定するということだけだ。
市場実勢価に合わせるための薬価改定は診療報酬改定と同時に行うものとされ、2年に1回だが、消費税引き上げへの対応としても実勢価を踏まえた算定とするのが適切との考え方が取られ、医療関係者や製薬産業、医薬品卸業者といった関係者も受け入れている。
18年度薬価改定では、薬剤費(材料費含む)としては6.26%(医療費ベース1.45%)の引き下げが行われ、これによる国庫負担削減額は1555億円となった。
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