厚生労働省はこのほど、「平成30年在宅医療・介護連携推進(特に多職種連携)に関する調査研究事業報告書」※を公表した。退院支援について、医療者側と患者側の双方から調査を行っており、患者・家族の視点に立ち、退院後の療養生活について説明することが重要としている。【大戸豊】
※三菱総合研究所作成(2018年度老人保健健康増進等事業)
調査は近畿厚生局管内の国立病院機構近畿グループの20病院を対象に実施し、9病院が回答。それらの病院に在籍する多職種が退院支援について回答している(600票中150票を回収)。
また、回答した9病院を一定期間(2019年1月15-25日)に退院した患者(入退院支援加算1または2を算定した患者が中心)にも調査を行い、70人が回答している。
■家族への療養指導「なし」が57.3%
回答した9病院で、退院支援について病棟看護師やMSWなどの意識を尋ねた。
患者の退院へ向けた目標設定については、「患者が安定した療養生活を送る」が62.0%と最多で、次いで「患者が安心した心身の状態を保てる」(43.3%)、「患者の療養場所を決定できる」(40.7%)の順だった(複数回答)。
患者が退院後に予想される介護サービスについては、「訪問看護」が 36.7%で最も多く、次いで「通所介護」(28.7%)、「福祉用具貸与」(26.7%)、「居宅介護支援」(24.0%)、「訪問介護」(22.7%)の順だった(複数回答)。
退院時カンファレンスでの主な討議事項は、「病状について」が47.3%で最も多く、次いで「在宅生活への希望確認」(35.3%)、「介護の留意点・介護体制など」(32.0%)、「服用薬剤の状況について」(31.3%)の順となった(複数回答)。
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