国土交通省は、既存の下水道インフラを活用して、紙オムツを廃棄処分する仕組みの実現を目指し、検討を進めている。介護者の負担軽減のほか、人口減に伴って利用者が減少する下水道経営の下支え効果を期待する。国交省がこのほど開催した2019年度2回目の検討会では、処理装置の導入が想定される介護施設などによる指摘や期待する内容が共有された。【吉木ちひろ】
国交省は、18年度から年に2回のペースで「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」を開催している。下水道と住宅関連の領域に携わる女性エンジニアら(「下水道・LIFE・えんじん研究会」)による、下水道を通して紙オムツや生ごみなどを回収した後にそれらを下水処理場でエネルギー燃料や農作物の肥料に利用する仕組みを構築できないかとの提案を受けて検討を進めてきた。
検討会ではこれまでに、下水道によって紙オムツを処理する仕組みの社会実装に向けた検討事項を示すロードマップを策定した。ロードマップでは、技術面や制度面における実現可能性や課題を考慮して、開発を求める処理装置のタイプを分類している=図=。すでに、一部の処理方式では先行して、紙オムツを処理する装置に求められる技術的な留意事項などを示す「考え方」を整理し、民間事業者に開発を促してきた。
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