1-3月薬局・DS業界M&A、公開分総額は763億円
総合メディカルのMBOで、ストライク調べ
M&A仲介業のストライク(東京都千代田区)によると、2020年1-3月の調剤薬局・ドラッグストア業界のM&Aの発表件数は4件だった。このうち、総合メディカルホールディングス(福岡市)は経営陣による買収(マネジメント・バイアウト/MBO)に約763億円を投じ、上場廃止となることを発表している。【吉木ちひろ】
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同社は、全上場企業に公表が義務付けられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について集計した。08年以降のデータが対象。
案件を個別に見ると、総合メディカルHDは2月5日、MBOによって株式を非公開化すると発表していた。経営陣の要請を受け、投資会社のポラリス・キャピタル・グループ(東京都千代田区)が総合メディカルHDに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式を取得するという内容。取引金額は約763億円で、1-3月の実績としては、08年以降の公開データで最も大きかった。
このほか1月21日に、ファーマライズホールディングス(東京都中野区)が、近畿地区で調剤薬局31店舗を展開するヘルシーワーク(大阪市)を完全子会社化すると発表している。同月24日にはココカラファイン(横浜市)が、神奈川県で調剤薬局2店舗を展開する薬宝商事(川崎市)の全株式を取得し子会社化したと発表している。
また、ツルハホールディングスは3月9日、子会社のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本(広島市)を通じて、ドラッグストアチェーンを展開する江頭エーザイ(福岡県大川市)から福岡県内のドラッグストア1店舗を取得すると発表していた。
いずれも金額は非公表。
ストライクの担当者は業界の動向について、「金融緩和や薬剤師不足などがM&A市場の活況を支えているが、新型コロナウイルスの問題の影響が今後、出てくることが考えられる」としている。
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