統合失調症患者、大腸がん標準治療の受診率低く
多職種・多領域の連携体制が課題に 国がんなど
国立がん研究センター(国がん)などは、国内の統合失調症患者では大腸がんの発見や診断が精神疾患のない人よりも遅れ、手術や術後の抗がん剤治療などの標準的治療を受ける割合が低いとする研究結果を公表した。配慮が必要な患者も適切ながん治療が受けられるよう、がん医療と精神医療を含む多職種・多領域の医療者が連携した医療提供体制の検討につながることが期待されるとしている。
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研究は、岡山大病院精神科神経科の藤原雅樹講師と山田裕士客員研究員、国がんの石井太祐研究員と藤森麻衣子室長、東北大の中谷直樹教授、島根大の稲垣正俊教授らの共同研究グループによるもの。
全国709の医療施設で大腸がんの診断や治療を受けた24万8,966人(うち統合失調症患者2,337人)を対象に調査したところ、手術の受診割合は精神疾患の併存がない患者で88.3%、統合失調症患者では78.7%と約10ポイントの差がみられた。
また、手術後の抗がん剤治療の受診割合では、精神疾患の併存がない患者は56.7%だった一方、統合失調症患者は26.3%。大腸がんがより進行したステージ4での抗がん剤治療の受診割合に関しては、精神疾患の併存なしの患者は60.9%だったのに対し、統合失調症患者は27.7%と、30ポイント超の開きがあった。
調査を踏まえて研究グループは、統合失調症患者では大腸がんの診断から治療に至るまで、複数の段階で医療提供体制に課題が生じている可能性があると指摘。また、精神疾患の有無により大腸がん治療の提供割合に差が示されたことは対策を考える上で重要な知見だとしている。研究結果は、15日付の国際医学誌「Acta Psychiatrica scandinavica」(オンライン版)に掲載された。
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