国立成育医療研究センターの研究グループは、低濃度の麻酔薬を用いた「間欠的定時投与法」(PIEB)と「患者自己調節鎮痛法」(PCEA)による無痛分娩で生まれた赤ちゃんの臍帯静脈血麻酔薬濃度が赤ちゃんの呼吸を抑制させるほどではなく、安全性を再確認できたと明らかにした。
研究グループは、現在主流となっているPIEBとPCEAを用いて、これまでの約半分の麻酔薬を投与する無痛分娩で胎盤から赤ちゃんへと流れる臍帯静脈血の麻酔薬濃度を測定。赤ちゃんへの影響を調べた。
まずは無痛分娩で経腟分娩をした、妊娠合併症のない妊娠37週以上-42週未満の妊婦50人を対象に、2022年7月-9月に脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(フェンタニル25µg)で麻酔導入。次に、0.08%ロピバカインとフェンタニル2µg/mlの混合液をPIEB(45分ごとに7ml)とPCEA(7ml、ロックアウト時間15分)で投与し、維持管理した。必要時には麻酔科医が追加投与を行った。
その結果、低濃度の麻酔薬を用いたPIEBとPCEAによる無痛分娩で出生した赤ちゃんの臍帯静脈血麻酔薬濃度は赤ちゃんの呼吸を抑制させる濃度ではないことが分かった。
また、新生児の全身状態を迅速に評価する国際的な指標「アプガースコア」(7点以上が良好な状態)で測定すると、出生して5分後にこのスコアが7未満だったケースはなく、対象の新生児は全員良好な状態だった。
さらに、お産の間に麻酔薬を投与し続ける無痛分娩で行ったこれまでの研究よりも臍帯静脈血麻酔薬濃度は低く、PIEBやPCEAのように薬を短時間にまとまった量で一気に投与する方法による無痛分娩は臍帯静脈血麻酔薬濃度を低くさせることに有用である可能性も示唆された。今回の成果は、カナダの麻酔科学会誌に掲載された。
【関連記事】


