日本医師会ドクターバンク、全国ネットワーク構築へ始動
医師偏在の是正へ複合的アプローチ PR
コーディネーターの声
マッチングの目標は成約ではなく「長く働き続けること」
日本医師会ドクターバンクには現在、7名の専任コーディネーターが在籍する。コーディネーターの森作深幸さんは、日々のマッチング業務をこう説明する。「求人と求職者の条件が最初から完璧に合うということはほぼありません。先生のお気持ちや医療機関の募集背景を聞きながら、丁寧なマッチングを目指して取り組んでいます」
現在の有効求人件数は約2,800件、有効求職者数は約740人。しかし地域・診療科・勤務形態の3条件が一致しなければマッチングは成立せず、コーディネーターが双方の「直接言い出しにくい」事柄を引き出し橋渡しする役割が不可欠となる。勤務曜日や開始時間、業務範囲の細かな調整はその典型例だ。
「先生から『こんなことを聞いていいのか』というご相談が来ることもあります。内容によっては面談で直接お話しいただいたほうが良い場合もありますが、条件面については私たちが事前に確認を取り、『せっかく面談に行ったのに条件が違った』という事態を防ぐよう努めています」
とりわけ増えているのが、ワークライフバランスに関わる相談だ。コーディネーターが「なぜその相談が必要なのか」という背景を丁寧に聞き取り、医療機関側に適切に伝えることで交渉が前進するケースも多い。
「きちんとした理由があれば調整できますという医療機関も増えています。男性医師からもお子さんのお迎えがあるといったご相談が少しずつ増えており、医師の働き方に理解を示す施設様は着実に広がっていると感じています」
最大の特色は、「成約」をゴールとしない点にある。「私たちのゴールは、先生方に医師として長く働き続けていただくことです。少しでも懸念や疑問を残したまま就業先を決めれば早期離職につながりかねません。コーディネートの結果、提案した施設とは違う勤務先で就業を継続することになったとしても、先生が最終判断するための参考になる情報を提供できたという点で、それも貴重なサポートだと考えています」
こうした姿勢が実を結んだ事例もある。定年後に再就職先を探していた70代の元指導医が、コーディネーターの働きかけにより当初希望した求職条件とは異なるが、指導医としての経験に着目した医療機関とのマッチングに至り、後輩医師の指導も担いながら活躍しているという。医師不足地域に経験豊富な人材が定着した好例だ。
医療機関に対し、森作さんはこう呼びかける。「紹介から採用までの費用は一切かかりません。採用コストに制約がある公立病院などにもご活用いただきたいです」
医療介護経営CBnewsマネジメント
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