チクングニア熱、夏季に局所的な感染連鎖の可能性も
JIHSが注意呼び掛け
世界的に報告数が増加傾向にあるチクングニア熱について、国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、媒介蚊である「ヒトスジシマカ」が本州以南に広く分布していることから夏季には輸入症例をきっかけとして局所的な感染連鎖が生じ、国内でチクングニアウイルスに感染する可能性があるとし、注意を呼び掛けている。
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また、チクングニア熱が流行している国・地域では渡航者や居住者が感染する可能性があり、日本国内での輸入症例も増加する恐れがあるとしている。
チクングニア熱は、チクングニアウイルスを保有するヤブカ属の「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」などに刺されることで感染する。JIHSによると、国内ではこれまでにチクングニア熱の感染例は報告されていない。ただ、夏季には輸入症例を契機に局所的な感染連鎖が起きる可能性があることから、港湾や空港での「ネッタイシマカ」の侵入監視といった媒介蚊対策を引き続き行うことが重要となる。
感染予防の行動として、チクングニア熱の流行地域に渡航する場合は現地では媒介蚊に刺されないよう肌の露出を避け、肌が露出している部分には虫よけ剤を使用することを推奨。屋内では網戸やエアコン、殺虫剤処理された蚊帳を使用して蚊の侵入を避けることなどを促している。
流行地に渡航して発熱や関節痛などチクングニア熱を疑う症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診し、渡航歴・現地での行動を伝える。日本への入国時に症状があれば検疫官へ申告する。
医療現場などでの対応策も周知している。国内の医師は流行国への渡航があって発熱や関節痛などの症状のある患者に対し、チクングニア熱を鑑別にあげる必要がある。また、デング熱やジカウイルス感染症と臨床的に区別がつきにくいことに注意するとともに、チクングニア熱を含むヤブカ媒介感染症の診断体制の整備が重要となる。
チクングニア熱に対する検査診断は行政検査として実施可能のため、疑った場合は最寄りの保健所に相談した上で適切に検査を行い、診断に至った場合は感染症法に基づく届け出を行う必要がある。
チクングニア熱は2025年に多くの国で再流行が確認され、特にフランスや中国での感染事例が報告された。今年に入ってからも南米で流行が報告されている。感染した場合、発熱や関節痛、発疹などの症状が出る。重症化することはまれだが、急性症状が軽快した後も関節痛が数週間から数カ月にわたって続く場合もあるという。
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