全国各地で妊婦や新生児をドクターヘリで搬送するケースが相次いでいる。医師不足の地域で周産期医療施設が減ったことや、ドクターヘリの基地が増えてきたことが影響しているとみられ、中には、妊婦をヘリで搬送中、機内で「空中分娩」に至った事例も報告されている。妊婦や新生児のヘリ搬送を考慮した搬送システムは未整備のため、医療関係者からは、周産期救急搬送システムの構築を求める声が上がっている。


　ドクターヘリは、すでに34道府県で40機が運用され、昨年度は全国で1万2000人以上を搬送した。周産期救急に関しては100人超と全体の1％にも満たないが、周産期症例に対するシステムが未整備のため、フライト・ドクターらが現場で試...