次の介護報酬改定において、特別養護老人ホーム(特養)などへの報酬は、運営主体の内部留保に従い減額すべき―。先月、閣議決定された「骨太方針」で示された内容だ。さらに、同じ日に閣議決定された規制改革会議の「規制改革実施計画」では、内部留保の位置付けの明確化などについて、厚生労働省が年度内に検討し、結論を得ることも盛り込まれている。ここに来て、一気に再燃した感がある社会福祉法人の内部留保をめぐる問題。これまでの議論のいきさつを振り返りつつ、この問題の今後を探る。【ただ正芳】 ■新たに決まった内部留保に関する“方針”と“計画” 以下は「骨太方針」に盛り込まれた原文だ。※ 引用部分は青文字で表示 「平成27年度介護報酬改定においては 、社会福祉法人の内部留保の状況を踏まえた適正化を行いつつ、 介護保険サービス事業者の経営状況等を勘案して見直すとともに、安定財源を確保しつつ、介護職員の処遇改善、地域包括ケアシステムの構築の推進等に取り組む」 報酬改定関連の文章で「適正化」という言葉が用いられる場合、ほぼ間違いなく「削減」を意味する。つまり、この一文は、特養などを運営する社会福祉法人にあるとされる内部留保の多寡が、報酬の削減額を決定する基準となることを示唆している。 さらに以下は、「規制改革実施計画」の下地となった規制改革会議の第2次答申のうち、社会福祉法人の内部留保に関して触れた部分である。 「会計検査院からは、特別養護老人ホームの積立金等について、施設の改修等に備えた目的積立金を貸借対照表に計上していないなどの指摘があるほか、 一部の有識者からも、『社会福祉法人は過大な内部留保を貯め込んでいる』との指摘がある」 「 厚生労働省は、内部留保の位置付けを明確化し、福祉サービスへの再投資や社会貢献での活用を促す 。また、厚生労働省は、社会福祉法人に対して、明確な事業計画に基づく目的別の積立(退職給与引当金や修繕積立金等の別途積立金の活用)を行うことを指導する」 この答申に基づき、「規制改革実施計画」では、今年度中に内部留保の活用に関する結論を得、制度的な措置を講じることや、目的別の積み立ての指導を今年度中の措置として実施することなどが示された。
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