「入院しないで暮らしの場にいて、そこに適切な医療や看護、ケアが入る方がQOLを落とさない」。長年、在宅ケアや退院調整の現場で活躍してきた宇都宮宏子氏(在宅ケア移行支援研究所代表)は先月、滋賀医科大で開かれた講演会でそう語った。また、今後は外来で療養支援をし、できるだけ暮らしの場を変えずに入院を回避していくことが重要だとの考えを示した。【坂本朝子】
滋賀県の「在宅療養支援のための多職種人材育成事業」の一環として開催された講演会。登壇した宇都宮氏は、在宅ケアでの経験から、「患者」ではなく「生活者」として捉えることが重要と強調した。その上で、「病院からは暮らしが見えない」とし、組織を超えて、地域での情報をつないでいく工夫が必要だとした。
一方、入院医療の提供が必要な時も当然あるため、その場合は、病院側はできるだけ早く患者を地域に帰すよう努め、地域側もその患者を受け入れられるようにならなければと訴えた。
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