多くの冠動脈バイパス術を手掛け、天皇陛下への手術を行ったことでも知られる順天堂大医学部附属順天堂医院・副院長の天野篤さんは、「結果が出せなければ、外科医としては終わり」という考えが、常にあったと話す。昨年還暦を迎え、今も現役を続ける中、「外科医としてもがいている」という。どうすれば医師としての情熱を持ち続けられるのか、新たに見えてきたミッションなどについても聞いた。【大戸豊】
「手術をして生活しなさい」
天野さんは、そう若い医師に伝えてきたし、自分自身でも心掛けてきた。
若い医師は「何歳までにあの手術がしたい」「あの先生の下で技術を高めたい」といったことを話題にする。しかし、手術の結果で自分の立場が危うくなったり、外科医としての人生が断たれたりしては、元も子もない。
天野さんは、手術のすべての責任を負うころまでには、外科医はどうやって「手術をして生活するのか」、自分なりの方法を見つけておくべきと言う。
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