病院の枠を飛び出した医師、その理由は?
講師がセミナー前にメッセージ
久住英二さんは今年4月、JR新宿駅構内に「ナビタスクリニック新宿」を開業した。ここにクリニックを立ち上げたのは、サラリーマンなどの働く人の生活動線上に医療機関を設置し、真に患者のための医療を提供したかったからだ。
これまで久住さんは1999年に新潟大卒業、虎ノ門病院(港区虎ノ門、868床)で内科研修をスタートさせ、キャリアを積み重ねてきた。その中で感じていたのは、医師のキャリアパスに、患者視点が欠けているのではないかということだ。
久住さんは、こう話す。
「患者が病気にならないのに越したことはないのに、若いころは重症患者に出会うと、アドレナリンが出てくるような感覚を持っていました。そこで、医師のキャリアパスに、患者が不在だと感じるようになりました」
病院を辞めて診療所を開業しようとも考えたが、1人での開業では本当に患者のためになる24時間365日の医療提供は難しいと考え、複数の医師で診療所を立ち上げた。2006年11月に「ナビタスクリニック新宿」の前身となる小さなクリニックを有志で始めた。
■テレビなどメディアでの情報発信続ける
最近の週刊誌の「この薬を飲んではいけない。この治療は受けてはいけない」などといった特集記事に、医療現場は混乱している。
これについて久住さんは、「裏を返せば、あの程度の週刊誌の医療に関する特集によって、壊れてしまうような医師と患者との関係であって、医師は患者の信頼を勝ち得ていなかったのかもしれません。これをきっかけに、より強固な信頼関係をつくっていく必要があります」と話す。
久住さんは以前から、外来診療をしながら、ツイッターなどのSNSで医療情報を発信してきた。今は、TBSテレビの「ひるおび!」(月~金11:00から)のコメンテーターを不定期で務めている。そこでは、流行している感染症についての注意点を説明したり、ワクチンに関する誤解などに関して、平易な言葉で解説している。久住さんは「正しい知識を持った医師こそが、メディアを通じて発信していく必要性がある」と強調する。
さらに久住さんは、「医療は個別性を考慮して提供しなくてはいけないので、医師が人工知能ロボット『ワトソン君』などに取って代わられることはありません。特に、内科医は、臨床推論の技術を磨き続ける必要があり、常に知識をアップデートする必要があります。そういう意味で医師として、いつまでも外来診療を続けていくつもりです」と話す。
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