今年春の診療報酬改定では、「療養病棟入院基本料2」の中に、医療区分2・3の患者割合が半数以上とする要件が新たに加わった。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、比較的軽症な患者を在宅に移し、医療的なケアが必要な患者に注力することが狙いだ。だが、医療区分2・3の患者の“争奪戦”が過熱し、介護療養病床が区分から漏れた患者の受け皿となる流れに拍車が掛かっている。【敦賀陽平】
人口が多い東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県)の不足も目立つ。神奈川では10月1日現在、介護療養病床を持つ病院は32施設、病床数は1854床に上るが、前出のグラフを見ると、療養病床全体の数は全国的に低い水準であることが分かる。
同県藤沢市にある湘南長寿園病院は、医療療養病床(120床)と介護療養病床(60床)を併せ持つ療養単独型の病院。現在、医療療養(2病棟)で「療養病棟入院基本料1」を、介護療養(1病棟)で「機能強化型A」をそれぞれ届け出ている。
同病院は、周辺の急性期病院からの紹介患者が多く、医療区分2・3に該当する患者は医療療養病棟に、医療区分1で重度の要介護者は介護療養病棟に入院する流れだが、介護療養病床は常に満床の状態だ。一方の医療療養病床も、稼働率は95%を超えているという。
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