卸が医療機関や薬局に納入する医薬品の価格は、メーカーからの仕入れ値より低いことを知っているだろうか。逆ザヤであり、「一次売差マイナス」と呼ばれる。ただ、最終的にはリベートなどをメーカーから得て利益を確保する。厚生労働省は、薬価調査の正確性を期すとともに、この特異な流通形態を改善するためにガイドラインを策定、「適切な一次仕切価の提示」を促したが、ふたを開けてみれば仕切価を引き上げたメーカーが多かった。【ライター 設楽幸雄】
医療用医薬品は、メーカーが卸に対する販売価格として「仕切価」を設定、卸は仕切価で購入した薬剤を医療機関や薬局に納入し、価格交渉をして「納入価」を設定する。
その仕切価と納入価、薬価との関係は、薬価を100とすると、仕切価は94.3と非常に高い水準にあり、一方、納入価は90.7と仕切価を3.6ポイント下回っている。この数値は大手卸5社について取り扱い全品目の各社ごとの加重平均値をさらに平均した値で、厚労省が5月30日の医療用医薬品流通改善懇談会に提出した。
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