「病院広報アワード2024」(CBnews主催)のエントリーを始めるキックオフイベントが2月下旬に開かれた。病院広報アワードとは、素晴らしい病院広報事例を表彰しながら病院広報の活性化につなげる取り組み。昨年、第1回が行われ、愛媛県のHITO病院が初の「病院広報アワード大賞」に輝いた。キックオフイベントでは、大賞を受賞した同病院の石川賀代理事長と総務・人事・広報課の中西美樹氏が特別ゲストとして登壇。病院経営における広報の重要性と現場目線での広報業務のおもしろさなどについて、それぞれ講演した。
■地域への社会貢献で共生共栄
【社会医療法人石川記念会 HITO病院 理事長 石川賀代氏】
病院広報の役割は自院のパーパス(存在意義)を通じて、未来へのアプローチを含めた正しい情報をタイムリーに発信し続けることだと思います。患者様や地域住民、行政やメディア、現在・未来のスタッフにもしっかりと伝えていかなければなりません。
われわれは、病院は病気になったときに行くだけでなく、「社会貢献をしていく事業体」だと認識しています。そのため、河川敷の清掃や出前講座の実施などの地域貢献活動や、プレスリリースの制作に注力し、市民やメディアとのコミュニケーションの強化も図ってきました。
コロナ禍により社会情勢は一変しましたが、これまでの広報活動で築き上げたさまざまなステークホルダーとの絆を実感できた3年間でした。ICT基盤の活用によるデジタルシフトや、地域企業と協働したCO2センサーの開発なども、信頼関係を構築してきたからこそ実現できたと認識しています。
また、コロナ対応で逼迫した医療現場をスタッフ自ら撮影した動画、メディアへの素材提供を行ったことで大きな反響を得られました。地域住民の理解促進にもつながったと考えています。現在も、DX化の推進など当院のコンテンツを取り上げていただく機会が増えています。
私たちが抱えている課題は世界的な高齢化への対応です。地域の中で当院だけが生き残るということではなく、社会貢献を通して共生共栄を実現する必要があります。私も2代目として次の世代にバトンタッチするという役目を果たしながら、今後もさまざまな課題を解決し、変革を図っていきたいと思います。
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