【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■確保難が続く病院薬剤師
病院薬剤師の確保は厳しい状況が続いている。CBnewsの記事によると、7月11日の日本病院団体協議会の記者会見で望月泉議長は「病院で薬剤師を募集しても応募がない状況が続いている」と強い危機感を表明し、報酬体系の抜本的な見直しの必要性について言及されたようだ(「薬剤師数、病院と薬局の格差が拡大」)。
また、1年前の拙稿では、ハローワークの薬剤師の平均募集賃金と病棟薬剤業務実施加算1の届け出施設割合について都道府県の分布を見ることで、薬剤師確保の厳しい地域では、他の地域より高い賃金を提示して募集している実態を明らかにした(「偏在指標以上に深刻な薬剤師確保の実態」)。
病院において必要な薬剤師を確保できない背景には、調剤薬局との確保競争がある。厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」で「薬剤師の偏在への対応策」について検討した際には、調剤薬局との給与格差が影響していることを指摘している=表=。
■人件費分の診療報酬を稼げるリハビリセラピスト、稼げない薬剤師
しかし薬剤師不足を認識していても、近年極めて厳しい経営環境にある病院では、薬剤師だけ特別に給与を引き上げることは難しい。加えて、もし薬剤師を増やしても、
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次回配信は9月3日を予定しています
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