日本能率協会は、全国309病院の約4割で外来・入院収入がコロナ禍前の水準まで回復していないとする調査結果を公表した。支出の拡大が経営を圧迫している状況も明らかになった。
25年度の外来収入では、309病院の24.9%が19年度のコロナ禍前の水準を超え、26.5%ではコロナ禍前並みに戻っていた。一方、48.5%ではコロナ禍前の水準に戻っていなかった。
入院収入を見ると、40.5%はコロナ禍前の水準を超え、20.4%ではコロナ禍前並みに回復。39.2%ではコロナ禍前の水準に戻っていなかった。24年の調査と比べて、外来収入はコロナ禍前より回復しているものの、入院収入は微減していることが分かった。
現在の経営課題を複数回答で聞いたところ、最多は「人件費の増加」(79.6%)。以下は、「人件費以外の経費の増加」(58.6%)、「職員確保難」(39.2%)、「診療需要の低下」(28.2%)など。
DXの取り組みは約8割が重要と考えているものの、積極的に取り組んでいる病院は2割を下回った。また、DXに取り組んでいる病院の3割超しか効果を実感していなかった。
この調査は、病院が抱える経営課題を明らかにして今後の経営指針となるテーマや施策の方向性を探るのが目的。今回は全国の8,065病院を対象に10月8日-28日に実施。309病院から回答があった。
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