6月に閣議決定された骨太方針2025では、精神病床を含めた病床削減の方針が示された。厚生労働省は、精神科病院の慢性期機能を介護保険や障害福祉も含めた地域のサービスなどに移行する方針を示しており、入院医療から地域移行を推進する新たな施策が動き出そうとしている。石川県立こころの病院院長の北村立氏の新連載「北村立の言いたい放談 この先の精神医療」では、転換期を迎えている精神医療の動向を踏まえ、持つべき改革の視点や目指すべき医療提供体制の在り方などに深く切り込んでいく。
【石川県立こころの病院院長、日本公的病院精神科協会会長 北村立】
2025年10月24日に、中央社会保険医療協議会で精神医療についての議論がなされた。主なテーマは入院医療と精神身体合併症だった。今回はそのうち入院医療について、厚労省の考えを推測しながら意見を述べる。
■スーパー救急に入院必要度チェックリストを導入か
精神科救急急性期医療入院料と精神科救急・合併症入院料で定められている「当該病棟の年間の新規患者のうち6割以上が措置入院や医療保護入院などの非同意入院であること」という施設基準は、「入院の必要性について平易な言葉で説明を尽くし、可能な限り入院に同意してもらうのが良い」とする最近の精神医療のスタンスと相反するものとして
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