神経性やせ症、子どもの患者数コロナ後も高止まり
成育医療センター調査
国立成育医療研究センターの調査によると、摂食障害の1つである神経性やせ症の20歳未満の患者数が新型コロナウイルス感染症の流行後に増加し、2024年度も高止まりしていた。同センターでは、「子どもの神経性やせ症を診察できる医療機関の拡充や入院病床数を確保することが求められている」としている。
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同センターは、「こどもの心の診療ネットワーク事業」に参加している全国31病院(32診療科)を対象に19年4月-25年3月に調査を実施。神経性やせ症や希死念慮・自殺企図があった20歳未満の初診外来患者・新入院患者について聞いた。
神経性やせ症の初診外来患者数は21年度の323人、新規入院患者数は22年度の189人をピークに、コロナ前の19年度と比べてそれぞれ約1.6倍に増加。24年度も初診外来患者数が297人と19年度の約1.5倍、新入院患者数は168人と約1.4倍の高い水準で推移していた。
男女別でみると、特に男性の初診外来患者数の増加が目立ち、19年度の18人から24年度には約2.7倍の48人に増えた。
また、「死にたい」と願う希死念慮や実際に行動する自殺企図の20歳未満の患者数もコロナ禍以降急増。24年度の希死念慮の初診外来患者数は166人で、19年度の約1.5倍に達した。自殺企図の初診患者数も82人と、同年比で約2.3倍に上昇している。このうち特に女性患者の増加が顕著で、自殺企図の初診外来患者数は19年度の24人から約2.5倍の61人、新規入院患者数では約2.2倍の72人に増えた。
同センターでは、コロナ禍の長期化によるメンタルヘルスなどへの影響は今なお残っていると指摘。家庭や学校、行政、医療機関、福祉機関などが連携し、子どもたちのメンタルヘルスの向上へのさらなる支援を早急に考える必要があるとしている。
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