広島大は、モバイル胎児心拍モニター(iCTG)を導入すると低リソースの環境下でも新生児の健康状態が改善したとする研究結果を公表した。日本企業の開発した医療機器が低資源の地域でも導入しやすく、現実的で効果的な技術であることが明らかになったとしている。
同大大学院医系科学研究科の新福洋子教授を中心とする研究チームは、タンザニアの医療施設にiCTGを導入し、その効果を検証した。
その結果、導入施設では胎児心拍異常の発見数が従来の約10倍に増えた。一方、新生児の胎児仮死は半分以下に減り、周産期死亡が約8割減少。助産師らが現場で無理なく使用できる操作性も確認され、実装研究として有用性が示された。
今後はより幅広い地域での導入と長期的な母子の健康への影響を検証するとともに、コスト効果や運用体制を含めた持続可能なモデルづくりを進めるとしている。研究成果は、学術誌「BMC Public Health」に掲載された。
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