【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
介護保険制度の改正に向けて検討されていた居宅介護支援費の利用者負担導入の問題について、年内に結論は出さずに来年の社会保障審議会・介護給付費分科会に結論を持ち越すことになった。だが厚生労働省は新たに、入居者に対して行われるケアマネジメントの独立性の担保や相談支援の機能強化の観点から、居宅のケアマネジメントとは別に、登録制といった事前規制の対象となる有料老人ホーム(特定施設を除く)の入居者に関するケアプラン作成と生活相談のニーズに対応する新たな相談支援の類型を創設して、この新類型サービスに利用者負担を求める案を示している。
ケアマネジメント有料化の方向性について、厚労省は11月20日の社保審・介護保険部会で、所得に応じた自己負担などの3案を示した。3案は以下の通り。
1.利用者の所得状況を勘案した自己負担導入
2.特定施設入居者生活介護以外の「住宅型」有料老人ホーム(該当するサービス付き高齢者向け住宅を含む)の入居者に対してのみ自己負担導入
3.ICTによる効率化を図るとともに、事務に要する実費相当分を利用者負担導入
その後の12月1日の同部会では、上記2の住宅型有料老人ホームの入居者に対するケアマネジメントにのみ利用者負担を求める案を示した。しかし同15日に開かれた同部会では、今後の導入が検討されている「登録制(事前規制)」が適用される住宅型ホームの入居者に特化した仕組みとして、ケアプランの作成や生活相談を担う新たなサービス類型を創設することを提案した上で、新類型サービスによるケアマネジメントにのみ自己負担を導入する考え方を説明した。
登録制(事前規制)が適用される住宅型ホームとは、中重度の要介護者(※要介護3以上)や医療ケアを要する高齢者らを受け入れる住宅型有料ホームが対象とされている。そこの入居者が介護保険サービスを利用する場合、ケアプラン作成と相談援助機能を併せ持った新類型相談支援サービスがケアマネジメントを担うこととし、その際の報酬について現在の居宅介護支援のような出来高払いではなく、介護付き有料老人ホーム(特定施設)のような定額報酬とする案を提示。利用者負担は定率(原則1割)としてはどうかと提案した。
■相談支援の新類型サービス創設の狙いとは
この提案が22日の介護保険部会で、大筋で了承を得たことで実現に向けて動き出した。これにより
(残り1754字 / 全2754字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】


