母親の更年期症状、子どものメンタルヘルスと関連
中等度以上でも受診率1割未満 成育医療センター
国立成育医療研究センターは、思春期の子どもと保護者の全国データを用いた研究で母親の更年期症状と子どものメンタルヘルスとの関連性を初めて包括的に明らかにしたと発表した。母親の更年期症状が強い場合、思春期の子ども自身は孤独感や不安、抑うつの状態になる傾向が高く、インターネットに依存しやすいことが強く示された。
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同センターは、「研究の知見が周知されることで、家族支援・思春期支援・女性の健康施策を連携した予防的アプローチとして進める一助となることも期待される」としている。
調査では、日本全国の自治体から住民基本台帳に基づき無作為に抽出された思春期の子どもとその保護者を対象とした2023年の全国調査のデータを使用。全国調査には1,805世帯が回答し、そのうち回答した保護者が女性だった1,541世帯を対象とした。
母親の更年期症状と子どものメンタルヘルス指標との関連を多変量モデルで解析した。また、母親の年齢や世帯収入、子どもの性別・年齢などを統計学的に調整した上で関連を検討。さらに更年期症状の3つの領域「血管運動症状」「心理症状」「身体症状」ごとの影響も分析した。
その結果、母親の約4人に1人(26.5%)が中等度から重度の更年期症状を抱えていたが、そのうち実際に医療機関を受診していた人は9.1%にとどまった。
また、症状が重い母親ほど、思春期の子どもとの関わりに難しさを感じやすかったほか、母親の更年期症状が強い場合、思春期の子ども自身は孤独感・不安・抑うつが高く、インターネット依存の傾向がより強く示された。母親の更年期症状の中でも心理症状が、子どものメンタルヘルスの悪化と最も強く関連していることも分かった。
今回の研究成果は、更年期医療と女性の健康を専門とする米国学会の公式学術誌「Menopause」に20日付で掲載された。
研究発表者は、思春期は心の発達にとって重要な時期であり、保護者の健康状態への理解や支援が家庭全体のウェルビーイングを支える上で重要だと指摘。今後は更年期症状への早期対応や相談支援体制の整備、女性の健康への意識向上を図ることが間接的に子どものメンタルヘルスを支援することにもつながる可能性があるとしている。
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