難治性膵臓がん 二段階治療で効果を確認
都長寿研
東京都健康長寿医療センター研究所の研究グループは、難治性の膵臓がんに対する薬剤を使った二段階治療で効果が得られることを確認したと明かした。培養細胞を用いた基礎研究によるもので、臨床試験の可能性につながる重要な成果だとしている。
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同研究所の藤原正和研究員や石渡俊行研究部長らが、日本医科大消化器外科の進士誠一准教授らと共同で研究を実施。治療標的としたのは、「FGFR4」(線維芽細胞増殖因子受容体4)と呼ばれる膵臓がんの早期再発や予後不良に関与する分子。3-5割の患者での発現が確認されており、FGFR4を抑える新たな治療戦略の検討は臨床的にも重要な課題だった。
研究では第一段階で、予後が悪いとされるFGFR4を発現する膵臓がんの細胞にFGFR4阻害剤「BLU554」を投与したところ、細胞増殖の抑制と細胞老化の誘導が確認された。
次に第二段階として、老化細胞除去剤(セノリティック薬)で老化したがん細胞を除去した結果、治療効果が大きく増強されることが分かった。
研究グループによると、老化細胞は分裂しないため一見無害のようだが、SASP因子(老化関連分泌因子)と呼ばれる炎症性物質を放出し続け、がんの増殖や転移を促進させる可能性がある。そのため、老化細胞の除去が治療強化の鍵になるという。
今回の研究は、従来のがん細胞を直接攻撃する治療とは異なる。培養細胞を用いて、▽がん細胞を意図的に老化させる▽老化細胞を選択的に除去する-という新しいアプローチで、特にFGFR4の高発現型の難治性膵臓がんに有効な可能性が示されたとしている。
研究グループでは、膵臓がんの治療抵抗性を克服するための新たな二段階治療戦略として、FGFR4阻害剤による老化誘導とセノリティック薬による除去の組み合わせが有望だと指摘している。
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