国立長寿医療研究センターの研究グループは20日、東アジア人に特異的に認められるアルツハイマー病の発症リスク遺伝子変異を発見したと発表した。その変異により、「INPP5J」と呼ばれる遺伝子の酵素活性が低下することを確認。東アジア人でのアルツハイマー病の発症の仕組みの解明につながることが期待されるとしている。
研究グループは、同センターのバイオバンクに登録された孤発性アルツハイマー病(LOAD)の日本人患者と認知機能が正常な高齢者を対象に、全ゲノムシークエンス解析を実施。LOADに関する遺伝子要因の探索を行った。
その結果、LOADの発症リスクに関連する新規遺伝子として「INPP5J」を同定し、この遺伝子には日本人を含む東アジア人に特異的に認められる2つの変異が存在することが明らかになった。
さらに、これらの変異を有する「INPP5Jタンパク質」の機能を解析したところ、いずれの変異も酵素活性が低下していることを確認した。これらの結果から、「INPP5J」の機能低下がLOADの発症に関与している可能性が示唆された。
研究グループは今回の成果について、「東アジア人集団におけるLOADの発症機構の理解を深めるだけでなく、将来的には発症リスク予測の精度向上や、新たな予防・治療法の開発につながることが期待される」としている。
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