病院DXに必要な「3つのR」恵寿総合・神野氏
「メディカルジャパン大阪」講演(1) PR
「インテックス大阪」(大阪市住之江区)で3月に開催された「メディカルジャパン大阪」(RX Japan主催)では、医療をはじめ多くの講演が行われました。CBnewsでは、病院経営のヒントになる4つの講演を連載で紹介します。初回は、「最新病院経営戦略:病院DXはなぜ必然か」のテーマで恵寿総合病院(石川県七尾市)の取り組みを紹介した全日本病院会会長の神野正博氏。
【関連記事】
恵寿総合病院のDXは、業務用iPhoneの導入やデータセンターの立ち上げ、生成AIの活用などが柱。業務用iPhoneは23年4月に520台を導入し、現在は法人内で1,000台ほどに増やしたという。電子カルテと連動させ、院外からも確認できるようにして医師らの業務負担に役立てている。
24年1月1日に起きた能登半島地震では地域全体に大きな被害が及んだが、恵寿総合病院は医療を継続できた。神野氏は「その背景には、電子カルテをスマホで見ることができたことと、BCPがうまく稼働したことがある」と述べた。
一方、データセンターでは、定型業務を自動化するロボットを作ったり、グループ全体に蓄積されたデータを管理・分析したりして業務改善を促す。
データセンターのメンバーは看護師・理学療法士・放射線技師などからキャリアチェンジした医療従事者ら。パソコンやエクセルのスキルがある院内の人材に声を掛け、「リスキリング」(再教育)の機会を提供した。
恵寿総合病院では現在、約130のロボットが定型業務をカバーし、年1.2万時間超の業務負担軽減を実現した。ロボットを活用した「発熱マップ」では、入院患者の体温を1日3回自動でチェックする。37.5度以上の発熱がある患者の位置を赤く表示して知らせてくれるので、院内感染が発生してもすぐ手を打てる。
神野氏は、病院DXを進めるのに重要なポイントとして「3つのR」を挙げた。DXの人材を確保するためのリスキリング(Reskilling)もその1つ。2つ目の「リデザイン」(Redesign)は、仕事のやり方をゼロから見直す業務・組織改革。
そして3つ目の「リダクション」(Reduction)では、不要な仕事をどんどん捨てる。神野氏は「高密度・高回転の医療をやりながら働き方改革を進め、医療の質を上げる。そんなことやれるわけがない」と述べ、自分たちにできることを見極めて、時には捨てる覚悟も病院には求められると強調した。
85歳以上人口が増えて生産年齢人口が急速に減少する中、病院は医療の質をどう維持させるか。神野氏はDXがそれの解決策になり得ると指摘した。
人口減少が進む能登半島で恵寿総合病院の機能を維持させるには「DXを進めるほかに手はない」という危機感があるという。ただ、神野氏は「危機感がないならそれでいい」とも述べ、現場の危機感こそが病院DXの原動力だとの考えを示した。
医療介護経営CBnewsマネジメント
【関連記事】

