医療DXの新加算に込められた意図 京大病院教授・黒田氏
「メディカルジャパン大阪」講演(3) PR
3月に「インテックス大阪」(大阪市住之江区)で開催された「メディカルジャパン大阪」(RX Japan主催)では、医療をはじめ多くの講演が行われました。CBnewsでは、病院経営のヒントになる4つの講演を連載で紹介します。3回目は、「日本の医療DXを促すために必要なこと」をテーマに講演した京大医学部附属病院教授の黒田知宏氏。
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黒田氏は、2026年度の診療報酬改定で新設される電子的診療情報連携体制整備加算には「医療DXを後押しする踏み込んだメッセージが込められている」と強調する。
この加算は、マイナ保険証の利用や電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティー対策などを活用して質の高い医療を提供する医療機関への評価。従来の医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算を廃止し、新たに設けた。
算定に当たっては、厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制の下で電子処方箋管理サービス、電子カルテ情報共有サービスそれぞれとの接続インターフェースを有する電子カルテか、厚労省が認証する電子カルテ製品を有していることが求められる。
講演で黒田氏は、厚労省が認証する電子カルテ製品に言及。「厚労省認定の電子カルテ製品を持っている医療機関しか今後は特定の診療報酬が取得できない」と読み取る。
同加算1の施設基準で、専任の医療情報システム安全管理責任者は情報セキュリティーマネジメントや情報処理安全確保支援士の資格を有していることが望ましいとする。黒田氏は「情報処理安全確保支援士の院内配置を今後促していく方向性が示されている」と述べた。
■医療DX推進の鍵は「UXの向上」
黒田氏は、医療DXを推進していくために重要となるのはユーザーエクスペリエンス(UX)の向上だと強調する。UXとは、サービスや製品を利用することで得られる利用者の体験価値のこと。利用することにより「生活が楽になった」「世の中が良くなった」と実感してもらわないと、サービスや製品の活用は進まないという。
UXの観点で日本の医療IT政策は失敗しており、その典型例が電子処方箋だと黒田氏は指摘する。「電子処方箋が普及しない要因は、医師と薬剤師に電子署名が求められることと、患者にとってのメリットが分かりにくいこと。こうした状況を変えない限り普及しない」とし、関連法の見直しを含む対応が求められていると訴えた。
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