脱サラし、医師になったから分かること
あの時、私はこう考えた(1)
田村には、めぐみ会の経営者として、医療機関は患者にとっていい所であると同時に、働いている職員にとっても居心地のいい職場でなくてはいけないという信念がある。 その上で、医師が患者宅などを往診しながらも、外来を続けることにこだわる。「医師は往診だけやってくださいというと、とてもがっかりする。訪問診療は、総合的なスキルや、患者さんやその家族との関係を築くという人間力は求められるが、専門性が発揮できなかったりする。外来診療を続けてもらい、これまでの専門性を生かすことが、医師としてのやりがいにつながる」。 めぐみ会は、病院勤務をしていて、いつか開業したいと考えている医師にも門戸を広げている。そして、田村は、病院勤務に疲れた医師には、こんなメッセージを投げ掛ける。 「病院勤務は常に緊張感にさらされている。そこで続けるのは無理だと思ったら、立ち止まってもいい。私がサラリーマンを経験したから言えるのは、医師とは、人のためになっているかという疑問を持たなくていい仕事であるということ。そういう意味で、幸せな仕事。ここで自分に合った姿を探してみるのもいいのではないか」
=敬称略=
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