在宅医療で薬局経営に活路
事業譲渡で「仕事の幅広がる」
■在宅医療の実績は「関西で五指」
メディカルブレーンは現在、大津市や栗東市など、滋賀県内で7つの調剤薬局を運営。県内32か所の介護施設の利用者1000人(月当たり)、在宅患者250人(同)への調剤や薬の配達、服薬指導などを行っており、在宅医療の分野では「関西でも五指に入る薬局」という。
塩飽の思い入れが最も強いのが、3年前に草津市内に開いた「南草津店」。同店は近隣に病院やクリニックのある、いわゆる「門前型」ではない。在宅医療に特化した、県内でも珍しい薬局だ。
近くの医療機関から処方せんを受け取る門前タイプの薬局では、患者の数が減る午前と午後の外来診療の合間を縫って、薬剤師が在宅患者に薬を届ける。このため、いったん午後の診療が始まると、薬局の人手が足りなくなり、在宅患者への緊急時の調剤には対応できない現状がある。
一方、南草津店の客の大半は、在宅患者や介護施設の利用者。同店では6人(常勤換算)の薬剤師を抱えるが、医療機関からの外来の処方せんは月50枚程度と少ないため、介護施設の利用者600人(月当たり)の調剤や服薬指導などに対応することが可能となる。
だが、最初から順調だったわけではない。初年度は2000万円もの赤字を出し、黒字化のめどが立ったのは今年に入ってからだ。それでもやめなかったのは、「自分が薬剤師ではなく、営業マン出身だからかもしれない。単に先行投資と考えていた」。塩飽はこう話す。
医療介護経営CBnewsマネジメント
【関連記事】