阪神大震災から5年後の2000年春、日本の介護保険制度は始まった。新制度の導入に伴い、要介護・支援の認定を受けた本人や家族が希望する介護サービスの提供を支援するケアマネジャーが創設され、現在の制度の基盤が確立した。今後、医療と介護をつなぐキーパーソンとして期待されるケアマネジャーは、災害発生時にどのような役割を果たすべきなのか―。自らも被災した経験を持つ、兵庫県介護支援専門員協会・副会長の片山恵美子さんに話を聞いた。【聞き手・敦賀陽平】―片山さんご自身も、阪神大震災で被災したと伺っています。
私は当時、阪神打出駅前の薬局で薬剤師として働いていました。自宅のあった芦屋市で被災しましたが、家族は幸い無事だったので、その後、救護所があった市内の消防署に詰め、その年の3月末まで、そこでボランティア活動を続けました。
皆さん、ご自身が被災者になるかもしれないという意識が低い印象を受けます。自分は常に元気で何かできると思っていても、実際はそうではありません。私もけがをしていたら、ボランティアをすることはできなかったでしょう。
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