スタートから6年を迎える「柏プロジェクト」。千葉県の柏市役所と東大、企業が「長寿社会のまちづくり」をテーマに研究会を立ち上げ、超高齢社会にふさわしい“街づくり”を進めてきた。ここで生まれた事業は、地域の医療・介護関係者や市民に引き継がれているようだ。柏市の保健福祉部長として、さまざまな取り組みをコーディネートしてきた木村清一氏(現・東大高齢社会総合研究機構学術支援専門職員)に、柏市が目指してきた地域包括ケアシステムについて聞いた。【大戸豊】
柏市は都心からJRで30分程度のベッドタウンだ。市内にある豊四季台団地は1964年に建てられ、老朽化が進んでいたほか、高齢化率も40%を超え、孤立死も起こっていた。団地の建て替えを機に、柏市、東大、UR都市機構による「柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会」が、「地域包括ケアシステムづくり」と「高齢者の生きがい就労の実現」に向けて、09年6月にプロジェクトをスタートさせた。
08年度から10年度まで市の保健福祉部長を務めた木村氏は現在、自治体職員向けの医療・介護の多職種連携のための研修などに忙しい。国が在宅医療を推進する中、市区町村の職員も、医療に目を向け、地区医師会などと協力関係を結ぶことが欠かせなくなってきている。
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