19日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大名誉教授)では、居宅介護支援に関する議論も行われた。この日、厚生労働省は公正中立なケアマネジメントの実現を目指す視点から、特定事業所集中減算(※)の在り方を論点として提示したが、ほぼすべての委員が同減算の見直しの必要性を指摘。廃止を求める声も上がった。また、居宅介護支援事業所の管理者については、主任介護支援専門員(主任ケアマネ)を充てるべきとする意見が出た一方、管理者を主任ケアマネとすることには慎重であるべきとする意見も出た。【ただ正芳】
居宅介護支援事業所は3万9471カ所、その利用者数は約252万人となっている(いずれも2016年4月審査分)。同事業所に勤務するケアマネジャーは約10万人いるとされる(15年10月時点)
居宅介護支援事業所について、昨年12月に社保審介護保険部会が取りまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」では、管理者の役割や公正中立なケアマネジメントの確保、入退院時における医療・介護連携の強化などの観点からの見直しが必要と指摘されていた。
※特定事業所集中減算
居宅サービス計画に位置付けられたサービスの提供総数のうち、同一の法人などによって提供されたものの占める割合が極めて高かった場合に適用される。15年4月の介護報酬改定までは、「訪問介護」「通所介護」「福祉用具貸与」だけが対象となっており、減算が適用される割合も「90%を超えて集中した場合」とされていた。しかし、この介護報酬改定では、対象が訪問看護や訪問リハビリテーションも含め、ほぼすべての居宅サービスに拡大された上、減算が適用される割合も「80%を超えて集中した場合」に改められた。ただし、都道府県知事らが「正当な理由」があると認めた場合は、条件に合致しても減算の適用を受けることはない。
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